「DC映画版ケヴィン・ファイギ」候補者との交渉が破談 ─ リーダー探しはなおも続く

DC映画の夜明けには、まだ時間がかかるようだ。一連のシリーズを統括するプロデューサー役として交渉中だったダン・リンは、条件面が折り合わず破談となったという。
米ワーナー・ブラザース ディスカバリーはDC映画の再起を図っており、ライバルであるマーベル・スタジオにおけるケヴィン・ファイギのような統括人を探している最中。その候補として、『IT/イット』『LEGO ムービー』など製作の映画プロデューサー、ダン・リンが有力視されていると報じられていた。
リンは自身の制作会社Ridebackなどを所有しているが、米The Hollywood Reporterはこれらとの契約条件が「様々な要因から複雑になった」と伝えている。ワーナー・ブラザース ディスカバリーがRidebackに資本参加するシナリオも存在したものの、結局は成立しなかった。
米Deadlineによれば、Rideback社は米ユニバーサルと契約を結んでいたため、三社間での折り合いがつけられずに暗礁に乗り上げてしまったようだ。初報の時点でリンも就任に関心を示しているとされたが、様々な事情によって結実せず仕舞いとなった。
リンとの交渉が決裂したことによって、米ワーナーは新たな候補者探しを継続することとなる。同社デヴィッド・ザスラフCEOは先の決算説明会で株主らに向けて、新チームと共にDCを10年かけて再構築するとの風呂敷を広げたばかりであり、リーダー採用は急務。これまでスタジオを統括した重鎮プロデューサーのウォルター・ハマダは、先般の『バットガール』お蔵入り騒動に憤慨したと報じられ、間も無くDCフィルムズを去る可能性が高い。
ユニバースの大胆な方向転換がなされると予想される新作映画『ザ・フラッシュ(原題)』の米公開は2023年6月23日。同社は、遅くともその頃までに新体制を確立させたいと考えているはずだ。
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Source:The Hollywood Reporter,Deadline