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『バットガール』お蔵入り騒動、DC映画の統括役がスタジオ離脱の可能性 ─ 『ジョーカー』『ザ・バットマン』手がけた重鎮

バットガール
※画像はイメージです Photo by Ed's Toy Box https://www.flickr.com/photos/edwicks_toybox/21517087693/ Remixed by THE RIVER

DC映画バットガール(原題)』のお蔵入りを受けて、『THE BATMAN―ザ・バットマン―』(2022)や『ジョーカー』(2019)など近年の話題作を手がけた重鎮プロデューサーがDC映画から離脱する可能性が浮上してきた。米The Hollywood Repoterが報じている。

『バットガール』のお蔵入りは、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの新CEOであるデヴィッド・ザスラフ氏率いる新体制が決定したもの。すでに撮影は終了し、約9,000万ドルが投じられていたが、ポストプロダクション(撮影後作業)のまっただなかに“損切り”の形でお蔵入りとなっていた。テスト試写での評判が芳しくなかったためとも、配信リリースには製作費がかかりすぎていたともいわれるが、いずれにせよ本作のリリース予定は撤回されたのである。

この決定に動揺したのが、ワーナーのDC映画部門にあたる“DCフィルムズ”の統括を務めるウォルター・ハマダ氏だった。『ジャスティス・リーグ』(2017)の不振を受けて再起に尽力したハマダ氏は、複数の作品が単一の世界観を共有するユニバース方式から、あくまでも作品本位の戦略に切り替えた張本人。『アクアマン』『ワンダーウーマン』シリーズや『シャザム!』(2019)や『ザ・フラッシュ(原題)』を進めつつ、世界観が異なる『ジョーカー』や『ザ・バットマン』を発表。ジェームズ・ガン監督を起用して『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)も手がけた。

ところが『バットガール』のお蔵入りはハマダ氏も関与しないところで決定されており、本人がその事実を知ったのは『ブラックアダム』のテスト試写だったという。ハマダ氏は事前に相談を受けていなかったことに動揺し、製作に関わったキャスト&スタッフへの影響を心配していたというが、お蔵入りのニュースは関係者への通知よりも早く公に報じられてしまった。

この決定を受け、ハマダ氏はDCフィルムズからの離脱を検討し、すでに弁護士との相談にも入っていたとされる。ただし性急な結論は避けたのだろう、少なくとも『ブラックアダム』の米国公開日である10月21日までは現在のポストに残る方針で合意したとのこと。もっとも関係者によれば、ハマダ氏は判断を保留しただけで、現在も問題は解決していないという。したがって『ブラックアダム』ののち、正式にスタジオを離れる可能性もある。

ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの新幹部らは、現在のDC作品が「一貫性やブランド戦略に乏しい」と見ており、8月4日の第2四半期決算説明会では、ザスラフ氏が「(DC作品の)リセットを行いました。事業を再構築したのです」と説明。「DCだけに10年間集中するチームを作る」として、品質重視の新戦略に取り組むことを明言していた。これはハマダ氏が2018年から取り組み、作品評価・興行成績の両面を成功に導いてきた戦略を否定する発言とも解釈できるわけで、両者の対立は必然的なこととも言える。

新体制では『バットガール』のほか、主演俳優も決まっていた『ワンダー・ツインズ(原題)』の企画も頓挫。『ザ・フラッシュ』で初登場する予定のスーパーガールの単独映画さえ企画存続が危ぶまれているといわれる。その一方、ワーナーは『ジョーカー』の続編映画『Joker: Folie à deux(原題)』を正式発表し、2024年10月に米国公開予定とアナウンスした。少なくとも、新体制も『ジョーカー』の続編にはゴーサインを出したということだろう。もっとも映画の完成時、DCフィルムズの体制がどうなっているかはわからない。

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Source: The Hollywood Reporter

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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