【大好評】DCユニバースを再出発させる大イベント『DC ユニバース:リバース』が激アツ!

2016年、映画バットマンvsスーパーマンスーサイドスクワッドが公開され、ドラマでも『THE FLASH』シーズン2『ARROW』シーズン4『LEGENDS OF TOMORROW』『SUPERGIRL』が日本に上陸するDCの実写業界。映画はまだ未知数ですがドラマは大変に好評となり、熱狂はまだまだ収まるところを知りません。そんなDCですが日本でも話題となったMARVELの”キャプテンアメリカはヒドラだった!?”という展開。蓋を開ければアメコミの三幕構成のテンプレートに近いクリフハンガーだったわけですが、同時期にDCでも大激震が起こりました。

DCユニバースの設定リブートが起こした功罪

何が起きたかを説明する前に2011年から2016年までの経緯を語りますと、2011年に起きた大イベント『フラッシュポイント』にてバリー・アレンが自らの過ちを修正し、世界の崩壊を防ぐ過程で謎の女性、パンドラが3つの世界を統合し、52のアース…通称マルチバースを改変します。そこで生まれた世界、New52は多くの変化が起きていました。
スーパーマンを始めとしたヒーローたちは若く、未熟に。培われた人間関係は0からのスタート。そしてDCとワイルドストーム社が併合したことでミッドナイター、アポロ、グリフターといったワイルドストーム社のヒーローがDCユニバースに参戦します。

ヒーロー達の物語の新たな始まり。『クライシス・オン・インフィニットアース』以来の全面的な設定リブート。6つの神の力を持つ魔法の守護者、キャプテン・マーベル(※編集部注:ここでのキャプテン・マーベルはマーベルユニバースの同名ヒーローとは別です。)は家族関係、性格がガラリと変わったヤンチャな少年ヒーロー、シャザムに。海底国家アトランティスの王アクアマンは海と陸を繋ぐ自らのアイデンティティを模索する純朴な若者アーサー・カリーの顔を色濃く表す形に変化。怒りの動機が動機なのでバットファミリーを本気で殺すわけでもなく、バットマンやナイトウィング達に長らくちょっかいを出してきた旧二代目ロビンにして現レッドフードの経緯と性格がグッとシンプルになり、愛されキャラに。どちらも大好評で受け入れられました。

しかし喪われたものも多かったことを忘れてはいけません。ダークヒーロー、バットマンとブルース・ウェインの日常に厚みを出してきたバットファミリーは歴代ロビンと初代バットガールのバーバラ・ゴードンを除いて全員0からのスタート。
スーパーマンとレックス・ルーサーの子という呪われてるにも程がある出生を持つスーパーボーイの設定がスーパーマンの遺伝子のみを持つということに変更。
フラッシュ、バリー・アレンの後輩スピードスター兼サイドキックのウォリー・ウェストは白人から黒人に。
人気ティーンチーム、ティーンタイタンズは三代目ティム・ドレイク世代が発足してことになり、ディック・グレイソンやジェイソン・トッドがいた歴史は抹消。
ナイスミドルのチームとして人気を誇っていたジャスティスリーグの先輩チーム、ジャスティスソサイエティは全員が若返り、ジャスティスリーグとは別の世界、アース2で活動するようになりました。

誰が彼らを監視している!? 衝撃の『DC Universe: Rebirth』

そこで打ち出された大イベント『DC Universe:Rebirth』。ライターは『FLASH:Rebirth』と『グリーンランタン:リバース』(翻訳済み)を担当した世界最高のライターの一人、ジェフ・ジョーンズです。この作品の主役、語り部は世界改変後、人種と設定変更された黒人ウォリー・ウェストとは別の三代目フラッシュも担い、ディック・グレイソン達とティーン・タイタンズに所属した白人のウォリー・ウェストです。

スーパーマンが死亡し、世界改変前のスーパーマンが登場した後の世界。ある事件によってフラッシュのエネルギー源、スピードフォースに呑まれたウォリーは世界改変前の自分の記憶を継承し、現世界の10年…『フラッシュポイント』から『DC UNIVERSE:Rebirth』までの出来事を何者かが奪ったと知ります。その奪われた時間、歴史の中にはジャスティスソサイエティや初代ティーン・タイタンズがいたという事実も含まれていました。世界改変で切り捨てられた旧来の良さは現世界にも確かに存在していたのです。全ての歴史に何者かが関与していた真実をウォリーは誰かに伝えようとし、エネルギー体で世界を見て回り、世界改変前は親しかったヒーロー達に会いに行きます。そこで彼は奪われた歴史の中から喪われたヒーロー達が次々に集っていくのを知ります。

歴史を奪い、世界統合と改変の間接的な原因として現状有力なのはアラン・ムーアが描いたアメコミ史に輝く名作『ウォッチメン』のドクター・マンハッタン。彼の動機、行動目的はまだ明かされていませんが、一つ確かなのは「歴史を奪った黒幕はDC世界から希望と楽観を摘み取り、暴力と悲観が支配する世界にしようとしている」ということです。スピードフォースに呑まれそうなウォリーがどういう結末を迎えるかは”Comixology”の『DC Universe: Rebirth』で確認できます。ジェフ・ジョーンズは平易な英語で奥深く、胸が熱くなる物語を提供してくれることで知られていますので原書デビューにも最適。

Universeの再生から始まる全キャラクターの再出発

DC-Universe-Rebirth

『DC Universe:Rebirth』から始まった全誌Rebirthイベント。このイベントの旨は「歴史の再生」と言ったところでしょうか。
まずは各ヒーローがどのようなキャラクターなのかを丁寧に説明し、これまでの因縁を総括し、新たな一歩を踏み出した上でそれぞれのキャラクター性を尊重した話運びをしています。DCの特色である”希望と楽観”を押し出した上で衝撃の存在の影をちらつかせ、旧読者が心待ちにしていた昔懐かしいヒーローの新たな出発を切ろうとするDCコミック。さながら”DC Universe”VS”WATCHMEN”の様相を示しはじめている”Rebirth”イベント。オジマンディアスがスーパーマンを死に追いやった疑いもあり、どうなっていくか世界中の読者が注目しています。

About the author

ライター、翻訳の小村健人です。アメコミは主にスーパーマン、フラッシュ、アクアマン、ブースターゴールド、ジャスティスリーグ、バットマンとそのファミリー誌を主に追っており、原書の知識もあります。カートゥーン、洋ドラも視聴。アメコミ記事を描くことが多いですが、何分まだ若輩者ですので知識に穴があるようでしたらコメント欄でお知らせいただけると幸いです(できればどのアークに収録されているかも教えていただければさらに幸いです)。

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