巨匠ブライアン・デ・パルマが新作映画を示唆 ─ 「キャスティングを試みている段階」

傑作ホラー映画『キャリー』(1976)や映画史に名を刻むギャング映画『スカーフェイス』(1983)、一大スパイ映画シリーズをローンチした『ミッション:インポッシブル』(1996)など、様々なジャンルで金字塔となる映画を監督した巨匠ブライアン・デ・パルマ。スローモーションや長回しのテクニックで知られる名監督が、どうやら映画界へのカムバックを考えているようだ。2019年に公開された『ドミノ 復讐の咆哮』が最後の監督作となっているデ・パルマが、ファンの期待が高まるような発言をしている。
米Vultureのインタビューで、公開40周年を迎えたエロティック・サスペンス映画『ボディ・ダブル』(1984)を中心に質問に答えたデ・パルマ。サスペンス映画のレジェンドであるアルフレッド・ヒッチコックから受けたインスピレーションなどについて語った監督が、最後に「他の映画の製作を計画しているのですか?」と訊かれ、「イエス」と回答。「もう1本、撮ろうと思っている映画があるんです。キャスティングを試みている段階で、実現するまでは内容を明かせません。そうなれば喜んで発表します」とコメントし、その詳細には触れなかった。
ファンのなかには、『ドミノ 復讐の咆哮』を最後に84歳のデ・パルマが監督業を引退したと思っている人が少なくないようだが、監督は密かに新プロジェクトを進めていた模様。しかし、『ドミノ 復讐の咆哮』の前に監督が開発していた『Sweet Vengeance』と『The Predator』という2本の映画企画は実現せずに終わっている。前者は実際に起きた2つの殺人事件から着想を得た企画で、後者は、数多くの女優や女性スタッフから性的暴行を告発されて有罪になったプロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインのスキャンダルを取り上げた映画で、2018年にデ・パルマは脚本を執筆中だと明かしていた。
残念ながら、両プロジェクトは日の目を見ることはなかったが、予想できないドンデン返しや巧妙なカメラワークで定評があり、数多くの映画製作者に多大なる影響を与えてきたデ・パルマの新作に関する続報が届くのを待ちたい。
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Source:Vulture , The Playlist