ウルヴァリン最終作『ローガン』にデッドプールが登場とのウワサ→監督&俳優陣が即否定する騒動に
映画『X-MEN』シリーズの一番の功労者、ヒュー・ジャックマンがウルヴァリンを演じる最後の作品『ローガン』は、これまでの作品群とはおおよそ異なる質感と、R指定もいとわない過激な描写が盛り込まれた映画になりそうだ。The Wrap誌は、そんな過激なヒーロー映画である『ローガン』に、同じく過激なヒーロー代表のデッドプールが登場すると報じた。
もっともこの情報は、発表されてすぐ、『ローガン』のジェームズ・マンゴールド監督やヒュー・ジャックマン、そしてデッドプールを演じてきたライアン・レイノルズによって超高速でバッサリ否定されてしまったのだが……。
デッドプール、ウルヴァリンと再共演ならず
The Wrap誌は、『ローガン』に近しい人物から、ライアン・レイノルズが『ローガン』出演のため、『デッドプール2』の新監督であるデヴィッド・リーチとの撮影を終えたという情報を入手していた。いわく、レイノルズの出演シーンは、『ローガン』のポスト・クレジットシーンとして使用されるものだったというが……。
この手の報道は、話題作にまつわる“噂”としてはさほど珍しいものではない。しかし今回のケースが普段と少し異なるのは、この報道に気づいたジェームズ・マンゴールド監督がその内容を即座に否定したことだ。
For everyone freaking out, @TheWrap is dealing in fake news. Chill.
— Mangold (@mang0ld) December 28, 2016
「みんな混乱してるね。The Wrapはウソのニュースを流してるんだ。落ち着いて」
DEADPOOL IS NOT IN MY FILM. Does all caps help confirm it?
— Mangold (@mang0ld) December 28, 2016
「“デッドプールは、僕の映画には、出てこない”。こう書いたら確かかな?」
また時を同じくして、デッドプールを演じるレイノルズも報道を否定していた。
Sadly, not true. Prisoner 24601 is on a solo mission. https://t.co/5czBmMRfY1
— Ryan Reynolds (@VancityReynolds) December 28, 2016
「悲しいことに真実じゃない。囚人番号24601は単独行動だよ」
レイノルズのいう「囚人番号24601」とは、『レ・ミゼラブル』(2012年)でヒュー・ジャックマンが演じたジャン・バルジャンを指すものだ。マンゴールド監督がレイノルズの投稿に感謝を表明したところ、ヒュー・ジャックマンまでもが、ふたりの投稿を引き合いに出して「そうらしいよ」とコメントする事態となっている。
What they said …. https://t.co/GmOoWbddf2
— Hugh Jackman (@RealHughJackman) December 28, 2016
逃げるWrap誌、追う監督
もちろん、ここまで全力で否定されては、The Wrap誌も姿勢を変えざるを得なかった。しかしあろうことか、同誌は当初の記事をほとんど書き換え、「『ローガン』にデッドプールが登場するという情報は否定された」という記事に仕立て直してしまったのである。当然、マンゴールド監督はこれに激怒している。
First @TheWrap reports a falsity. $$. Then they report my denial as a whole new story. $$! How about you just take down the original lie?
— Mangold (@mang0ld) December 29, 2016
「はじめにThe Wrapがウソを報じた。次に彼らは、僕が否定したことをまったく新しい記事として報じている。元々のウソを削除することをみんなはどう思う?」
以前、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』に関するガセ情報をジェームズ・ガン監督が真っ向から否定したことがあった(その折には筆者もガセ情報に騙されてしまった)。しかし話題作に関する噂は、その真偽にかかわらず、ファンにとってはひとつの楽しみになりうる。「どんな映画なのか?」「あの噂は本当なのか?」などと推測したり、映画を観てその真実を確かめたりすることは、作品を楽しむ体験を、“ただ観る”以上に豊かなものとしてくれるだろう。
しかし当然ながら、そうした噂は作り手にとって不快なこともあろうし、またSNSを通じて報道にコメントを発信できる以上、今回のような反応はいたって自然なものだ。それにネットでガセ情報が拡散されるのは、もちろん良いこととはいえない。今回の騒動は、噂をめぐる作り手とメディア、ファンの関係が、かつてよりも随分難しくなっていることを示しているのではないだろうか。
ともあれ『ローガン』にデッドプールは登場しない、今回確かになったのはそれだけだ。実現していれば『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』に次ぐ“再戦”となっただけに、残念は残念だが……。
映画『ローガン(原題)』は2017年6月に日本公開予定。
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