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ギレルモ・デル・トロ版『ドクター・ストレンジ』案があった ─ 1920年代が舞台、アルコール依存症で医師資格を剥奪されるストレンジ?

ギレルモ・デル・トロ
Photo by GuillemMedina https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Guillermo_del_Toro,_Festival_de_Sitges_2017.jpg

『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)でアカデミー賞作品賞・監督賞に輝き、『ヘルボーイ』シリーズでも知られる巨匠ギレルモ・デル・トロが、かつてマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)映画『ドクター・ストレンジ』で監督候補に挙がっていたことがあったようだ。

こう明かしたのは、「アメリカン・ゴッズ」(2017‐2021)「サンドマン」(2022)などの原作を手がけた英作家ニール・ゲイマンが出演。米ポッドキャスト番組に登場したニールマンは、2007年にデル・トロと一緒に『ドクター・ストレンジ』を製作する話が浮上していたと明かしている。ゲイマンによると、デル・トロが『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』(2008)を撮影中にゲイマンが現場を訪れ、『ドクター・ストレンジ』を映画化する可能性について話をしたのだという。

まずゲイマンは、2007年にマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長と、「『ドクター・ストレンジ』を映画化してはどうだろう?」と最低限の会話をし、その後にデル・トロに話を持ちかけてアイデを出し合ったとのこと。ところが最終的にマーベル・スタジオが、「もっと核になるキャラクターに集中したい。ドクター・ストレンジはずっと先の話だから、今は時期ではない」と、2人に説明して断ったのだとか。マーベル・スタジオが言う“核となるキャラクター”が、アイアンマンやキャプテン・アメリカであることは説明するまでもないだろう。

では、デル・トロとゲイマンは、『ドクター・ストレンジ』をどんな映画に仕上げようと考えていたのだろうか?そのプロットについて、以下のようにゲイマンが解説している。

「アイデアのなかにはクールなものもありました。僕が好きだったドクター・ストレンジのアイデアは……、僕たちが本当にやりたかったのは、ストレンジがアルコール依存症になり、医師の資格を剥奪されるという物語を、1920年代を舞台に描くバージョンです。彼が世界一の魔術師になるための修行を積んだのが1920年代後半から30年代前半で、彼はグリニッジ・ヴィレッジに90年間住んでいて、誰にも気づかれずに同じ様子で暮らしているという設定です。僕たちは、そのアイデアを気に入っていました。時代は遡りますが、それ以外はまさにスティーヴ・ディッコのような作品になったでしょうね。」

スティーヴ・ディッコは、スタン・リーと共にドクター・ストレンジのキャラクターを創造したマーベル・コミックの作画家・原作者。もし、ゲイマンとデル・トロがタッグを組んで『ドクター・ストレンジ』を映画化してMCUが始動していたら、おそらく今とは全く異なる様相を呈していたのではないだろうか。

ゲイマンとデル・トロが構想したバージョンを、「アベンジャーズのスーパーヒーローに別の運命が待っていたら?」という、“もしも”の世界を描くマーベルアニメ「ホワット・イフ…?」で取り上げたら面白いかもしれない。

▼ の記事

    Source: Josh Horowitz

    Writer

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    Hollywood

    ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行に料理と、読書とキャンプ。