デンゼル・ワシントン、『ブラックパンサー』チャドウィック・ボーズマンへ演技学ぶための学費を払ってくれていた ─ NYプレミアで初対面、感謝伝える

マーベル映画『ブラックパンサー』の世界的ヒットで一躍スターダムをのし上がったチャドウィック・ボーズマンだが、その成功の裏には思わぬハリウッド・スターからの支援が存在していたことが明らかになった。『トレーニング デイ』(2002)『フライト』(2012)など数々の名作で知られる俳優のデンゼル・ワシントンが、学生時代のチャドウィックが演技を学ぶための費用を払っていたのだという。
これは、アメリカのバラエティ番組「The Tonight Show Starring Jimmy Fallon」にチャドウィックがゲスト出演した際に語られたもの。番組ホストのジミー・ファロンは、チャドウィックが表紙を飾った米ローリング・ストーンズ誌を取り出し、掲載のインタビュー記事内で語られた学生時代のオックスフォードへの交換留学のエピソードについて触れる。
アメリカ出身のチャドウィック・ボーズマンは、高校卒業後にワシントンD.C.の名門黒人大学ハワードに進学。そこでは黒人女優のフィリシア・ラシャドが週に一度授業を行っており、チャドウィックはイギリスのオックスフォードで演技を学ぶための交換留学を勧められたという。ところが「お金がなかった」という当時のチャドウィックは、イギリスへの渡航費や学費を捻出できなかった。すると勧め人のフィリシアが彼女の友人にあたってくれたお陰で、資金を提供してくれる人物が見つかったという。こうしてチャドウィックは無事オックスフォードのBritish American Drama Academyで演技を学ぶことができた。
では、そんなチャドウィックに交換留学費を提供した人物とは誰だったのか。チャドウィックは、どのようにしてその人物を知ったのだろうか。
「最初は(資金提供者が誰か)知らなかったんです。この話、僕のキャリアでずっと秘密にしてきたんですが…。(イギリスから)戻ってきて、学費の受領書が届いていたので見てみたら、“デンゼル・ワシントンさんがお支払い頂きました”って書いてあったんですよ。”えっ?”って。」

『ブラックパンサー』への高まる期待で、世界的な注目スターとなったチャドウィック。その後、件のローリング・ストーンズ誌によるインタビュー取材を受け、オックスフォード交換留学のエピソードを引き出される。チャドウィックとしては、まず本人に会って直接御礼を伝えるのが先だと思っていたのだが…。
「不思議なことが起こりましてね。ローリング・ストーンズ誌のインタビューを受けた後、映画公開前のニューヨーク・プレミアに彼が来てくださって、記事が公開される前にお会いできたんです。
“君とは初対面だね!“と言われたので、”はい、お伝えしたいことがあるんです。僕の学費を払ってくださいましたよね“と言うと、“あぁ、だから僕は今日呼ばれたのか!”と言っていました。”カネの貸しがあるってことだな!“ともね。」
もしデンゼル・ワシントンによる出資がなければ、チャドウィックはオックスフォードで演技を学ぶことができず、映画『ブラックパンサー』の成功もまた違ったものになっていたかもしれない。