【ネタバレ】『悪魔はいつもそこに』ナレーションの裏話を監督が語る

トム・ホランド、ロバート・パティンソン、セバスチャン・スタンなど豪華共演によるNetflixオリジナル映画『悪魔はいつもそこに』が2020年9月16日に配信された。米The Playlistのインタビューにて、監督を務めた新鋭アントニオ・カンポスが、本作で重要な役割を果たす“ナレーション”に関する裏話について明かしている。
この記事には、『悪魔はいつもそこに』のネタバレが含まれています。

物語の舞台は、戦後の腐敗と暴力に塗れたアメリカ・オハイオ州の田舎町ノッケンスティフ。妻の死が間近に迫ったウィラード・ラッセルは、日々祈り続け、最終的には自らの身体を神に捧げた。学校で酷い嫌がらせを受けていた息子アーヴィンは、父の形見である銃を受け取り、やがて決死の行動を起こし始める。愛する人々を守ろうと苦しみもがくアーヴィンの周囲には、罪深い牧師、謎を抱えた夫婦、悪徳保安官ら邪悪な者たちの思惑が渦を巻いていた……。
『悪魔はいつもそこに』の原作を手掛けたドナルド・レイ・ポロックは、映画版で重要な役割として登場している。彼は複雑に交錯する登場人物の心情・行動・背景を詳細に説明する為の“ナレーション”を担っていたのだ。カンポス監督は、ドナルドとは撮影開始前から密にやり取りを行っていたのだという。
「僕たちは製作前に仲良くなったんです。(アメリカ・オハイオ州)チリコシーに住む彼のもとを年に一度訪ねては一緒に時間を過ごしました。それは、その場所の特徴を掴む為であったり、物事の出所について理解する為であったり。彼に草稿を読んで貰った時には、意見や提案、彼の考えについても話してくれましたよ。」
とはいえ、ドナルドは実際の撮影では関与せず、編集段階でようやくナレーションとして加わることになったようだ。
「僕たちが編集作業に取り組んでいる時、劇中でのナレーション活用案を思い付き、彼に提案したところ、引き受けてくれたんです。複数のテイク、時に異なるバージョンのテイクも送ってくれましたね。実に有機的な作業方法で、彼は本当に協力的でしたよ。この映画のファンでもありましたしね。彼は非常に作品を気に入っていたようで、僕たちにとってはこれ以上ない程に嬉しかったです。」
こうして原作者が実際にナレーションを務めるという粋な計らいが実現したわけだ。もっとも、ナレーションを活用するにあたり、劇中を占める比重が重くなり過ぎないように注意しなければならなかったのだという。「彼には圧倒的な存在感を放ち、彼の声と役柄に親しみを持たれるようにしました。たた、決して物語を妨げるようなものにはしたくありませんでした」。
最終的に2時間18分に及ぶ本編の中で、原作者によるナレーションが使用された時間は「合計12分」のみだったとのことだ。
「映画全体のほんの一部分を占めているだけです。僕たちは慎重に取り組む必要がありました。斬新かつ個性的で、時にユーモアを感じさせられるようにしなければならなかったので。そして、感情をそこまで表に出さないキャラクターの心の内を視聴者に届ける為にも。このような理由で使用しました。」
ナレーションに込められた意味や真意を踏まえて、もう一度、改めて作品を見返してみてはいかがだろうか?
Netflixオリジナル映画『悪魔はいつもそこに』は世界独占配信中。
▼『悪魔はいつもそこに』の記事
ロバート・パティンソン出演作の話だけをする ─ 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』から『ザ・バットマン』、2分半の短編まで紹介させて ロバート・パティンソンだけの記事 『ザ・バットマン』主演ロバート・パティンソン単独インタビュー ─ トム・ホランドと食事に行って「バットマンとスパイダーマンだね」と盛り上がる クリスチャン・ベールとトイレで会った? 『ハリー・ポッター』ダドリー坊や役は現在、名バイプレーヤーとして大活躍している すっかりスリムになって 『IT』のペニーワイズだけが怖いのに本人と共演していると知らなかった『悪魔はいつもそこに』子役 “それ”を言ったら、終わり 【夕刊】 DC「フラッシュ」「ルシファー」撮影再開/「ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー」新予告/『悪魔はいつもそこに』監督次作にハリソン・フォード ほか 注目トピックをまとめてお届け!
Source: The Playlist