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トム・ホランド、『悪魔はいつもそこに』の新境地は「スパイダーマンから切り離してほしい」 ─ 複雑でダークな役どころ、演じる楽しさと苦労

悪魔はいつもそこに
Netflix映画『悪魔はいつもそこに』独占配信中|Glen Wilson/Netflix

『スパイダーマン』シリーズで知られるトム・ホランドの主演最新作、Netflixオリジナル映画『悪魔はいつもそこに』が2020年9月16日(水)に配信された。本作でトムが演じるのは、幼少期に両親を失い、学校でひどい嫌がらせを受けてきたという少年アーヴィン役。ピーター・パーカー役とは異なる新境地に、トムはどう挑んだのか。

「この役柄に惹かれたのは、今までとは違うところに自分を連れていけるところ」Netflixの公式インタビューにて、トムは正直に告白している。「低い声でゆっくり話す、脅かすような声を使うこともある、そんな役柄を演じるのは面白かった」。トムはアーヴィン役を演じるため、アメリカ南部の訛りを習得した。「アクセントをきちんとつかむことが最初の一歩。もしできないのなら、引き受けないほうがいいくらいかも」

悪魔はいつもそこに
Netflix映画『悪魔はいつもそこに』独占配信中|Glen Wilson/Netflix

そもそもアントニオ・カンポス監督は、トムと初めて会った時点で、まだ『スパイダーマン』を観ていなかったという。事実、監督がトムにオファーしたアーヴィンという男は、ピーターとは違い、ナチュラルに毒づき、Fワードを口にする人物だ。それでも監督は、トムと話し合う中で「すごくエネルギッシュで、賢くて、魂のこもった人。(アーヴィンに)ふさわしい活力がある」との印象を抱いたという。トム自身も、アーヴィンという役柄をいま演じることを楽しんだようだ。

今のトム・ホランドを、みなさんはスパイダーマンと結びつけて考えますよね。“ヤバいよネッド、早く!早く!”みたいな喋り方を期待されているなと思います。[中略]僕は脚本に息を吹き込みたかった。こういう人物像を自分の中に見出せる自信はなかったですけどね。アーヴィンはすごく攻撃的だし、憤っている。だけど、すごく優しいし、愛情にあふれていて、冷静な人でもある。そういうところと彼自身の態度のバランスを取るというのは、とても大変で、すごく大切なことでした。」

実際のところ、米Varietyの取材にて、トムは「撮影初日はすごく緊張していたし怖かった」とも振り返った。「とても複雑な性格の、暗さのある人物なので、思ってもみなかった精神状態に自分を追い込みました。あれをまたやりたいと思えるかは分かりません」。しかし、トムの言葉には、アーヴィンを自分なりに演じ切ったという自信もにじんでいる。同じくNetflixの取材にて、トムはこうも語ったのだ。

「新しいこと、新鮮なことに飛び込めるのはすごく面白い。観客のみなさんにも、スパイダーマンの世界とは切り離して、アントニオ(・カンポス監督)の世界、『悪魔はいつもそこに』に飛び込んでもらえればいいなと思います。」

Netflixオリジナル映画『悪魔はいつもそこに』は独占配信中。のちにトムは、Instagramにて「この映画は僕のキャリアにとって大きなステップ。ようやくお見せできてすごくうれしいです」と記している。

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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