若い男性、映画予告編では「激しいアクション」よりも「深みあるキャラクター」に反応?新調査で判明

若い男性は、激しいアクションシーンよりも深みあるキャラクター描写のある映画を求めている?新たに登場した人工知能プラットフォームによる解析により、映画の予告編映像に関する興味深い調査結果が米Deadlineより伝えられている。
この調査を新たに行なったのは、独自の人工知能を用いて視聴者の意識的・無意識的な反応を捉えるDiO。アートと商業のギャップを埋めることを目的とする同プラットフォームは、時代遅れな考えに基づく分析を排除しながら視聴者の感情や没入感を包括的にマッピング、商業的な意思決定に役立つ情報を提供するものという。
37,000人のコンテンツ消費者を対象に行われた調査からは、主に「若い男性視聴者は、容赦のないハイテンションなアクションシーンよりも、物語的な深みあるキャラクター主体のストーリーテリングに強く反応する」「このような観客層には、超スタイリッシュな、あるいは助演的な役割の女性キャラクターよりも、強くて自立した女性キャラクターの方が好まれる」との結果が伝えられた。
「男らしさに対する認識が変化している」と、DiOのアデ・シャノンCEOはデータを元に述べている。「このデータは、より豊かで、地に足ついたストーリーテリングに対する欲求の変化を示しています」。
イギリスの True Britというインディー映画会社では、DiOによるデータを活用し、映画『Marching Powder(原題)』のマーケティングキャンペーンを行なった。35歳以上の男性をターゲットに、データに基づく調整を加えながらマーケティングを行なった結果、160万ポンドの製作費に対して310万ポンドの好調な興行収入成績を収めることができたという。
同作の予告編映像では、冒頭に主演俳優のダニー・ダイアが登場し、ヒュー・グラントやジョージ・クルーニー、ブラッド・ピットやライアン・ゴズリングのような色男の映画スターではなく、自分が主演であることを上裸と共に自虐している。薬物中毒の主人公がフットボール試合のフーリガン行為で逮捕されたのち、人生をやり直そうと奮闘する物語だ。同作の配給スタジオは、DiOのデータを活用し、予告編のどの瞬間やキャラクター、セリフやギャグがターゲットとする観客層に最も強く響いたかを特定することができたという。
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Source:Deadline