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MCU作品、多すぎて「スタッフの集中と注意が削がれた」とディズニーCEO反省 ─ マーベルとスター・ウォーズ、作品数削減の方針

ボブ・アイガー
Photo by Thomas Hawk https://www.flickr.com/photos/thomashawk/20667236976/ Remixed by THE RIVER

ウォルト・ディズニー・カンパニーのボブ・アイガーCEOが、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)や『スター・ウォーズ』作品の数を減らす意向を表明した。米CNBCでは、MCU作品の数が増えすぎたことで「(社内の)集中力と注意が削がれた」と語っている。

コロナ禍のさなか、ディズニーは自社の映像配信サービス「ディズニープラス」に注力し、オリジナルの映画・ドラマを多数発表してきた。しかしその反面、最近のディズニー配給作品は興行的に厳しい結果が続いている。『アントマン&ワスプ:クアントマニア』『リトル・マーメイド』『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』『マイ・エレメント』は、いずれも事前の期待を下回る成績となった。

アイガー氏は「非常に客観的に見て、がっかりしているところはあります。最近公開した作品の中には、もっといい結果を出せたものもあった」と率直に述べた。しかし、こうした状況は「人事面の問題によるものではない」と見ているという。

「コンテンツを大きく成長させ、配信サービスの提供に熱意を注ぐ中、スタッフには時間と集中力という点でこれまで以上の負担をかけてしまいました。特にマーベルがそうです。テレビのビジネスに大きく関与した経験がなかったのに、映画の本数を増やしただけでなく、多くのテレビシリーズを製作することになった。その結果、集中力と注意が削がれたのです。それが最大の原因です。」

ここで指摘されているのは、テレビシリーズを含めた製作料が増えすぎた結果、観客や視聴者ではなく、スタッフ側に問題が生じてしまったということだ。企画や脚本、キャスティングから撮影、編集、宣伝、配給に至るまでの「集中力と注意が削がれた」結果、作品のクオリティや興行に悪影響が生じたということである。前CEOのボブ・チャペック氏はディズニープラスを軌道に乗せるべく努めたが、その方法を反省する言葉とも言えそうだ。

今回、アイガー氏は「マーベルや『スター・ウォーズ』も作品数を減らしていくということですか?」との質問に「イエス」と答えている。

「集中するためだけでなく、コストを抑えるためにも撤退するのです。作品の費用を抑え、そして作る量を減らしていきます。」

2022年11月、一時はCEOを退いていたアイガー氏は、前CEOのチャペック氏に代わってCEOに電撃復帰した。その後、2023年3月には、予算削減のためコンテンツの製作費を抑える意向を明言。これに先駆けて、2月にはマーベル・スタジオが作品の発表ペースを落とす方針であることも明らかになっていた。

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Source: CNBC

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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