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『ファンタスティック・フォー』ドクター・ドゥーム単独映画、企画は継続中 ─ マーベル社長と脚本家が面会、「なんとか切り抜けたい」

ドクター・ドゥーム

マーベル・コミックの人気ヒーローチーム、ファンタスティック・フォーの宿敵を描く単独映画『ドクター・ドゥーム(仮題)』は、まだ水面下で動き続けているようだ。脚本家のノア・ホーリーが明かした。

人気ヴィランであるドクター・ドゥームの映画化は、2017年夏に20世紀フォックスから正式に発表されたもの。脚本のホーリーは、同じくマーベル原作のドラマ「レギオン」(2017-)や、同名映画の派生作「FARGO/ファーゴ」(2014-)を手がける俊英だ。2018年6月時点で脚本はほぼ完成していたが、ディズニーの20世紀フォックス買収により企画は保留状態となった。現在、フォックスによるマーベル映画はすべて再検討の対象となっている。

しかし、ホーリーは米The Hollywood Reporterのインタビューで「『ドクター・ドゥーム』の脚本を書きました。僕の大好きなアンチヒーロー・ストーリーで、まだ製作の話し合いは行われています」と発言。マーベル・スタジオとの間で話し合いが継続していることを明らかにした。「なんとか切り抜けたい。好き嫌いにかかわらず、現在のわれわれに必要な物語だと思います」

コミックファンであるホーリーは、スーパーヒーローの物語がもつ魅力をこのように分析している。

「もともと僕が『X-MEN』の世界に興味を持ったのは、それが強制収容所から始まる映画だったからです。明らかに、人間がもつ邪悪さの本質にかかわる物語だった。宇宙の力が世界に終わりをもたらす…というだけではありません。だから僕は(ヒーロー映画に)常に惹かれるんです。このジャンルを通じて、われわれが日常的に行っている悪について、お互いを傷つけることについて、お互いの存在を当たり前だと捉えてしまうことについて掘り下げたい。別のテーマを抱えたストーリーやキャラクターもたくさんいますしね。」

ホーリーは「レギオン」で、統合失調症と診断された“プロフェッサーXの息子”デヴィッド・ハラーを主人公に、彼の目線から複雑怪奇な世界と人間関係を描き出している。衝撃的な映像演出と難解なストーリーが観る者の心をとらえて離さない、最も野心的なマーベルドラマのひとつだ。マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長を相手に、ホーリーは「僕は自分のことを、マーベルのR&D(研究開発)部門だと思っています」と宣言したという。

「このジャンルで、ありとあらゆる素晴らしいことができるのは知っています。マーベル・シネマティック・ユニバースも素晴らしい。だけど、他に何かできることはないかと思っているんです。シュールな作品を作れないか、ミュージカルはどうかって。ただのギミックではなく、それらはキャラクターの主観的な体験へとみなさんを連れていく手法なんですよ。」

果たして、マーベル・スタジオはホーリーの熱意に応えるか。

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Source: THR

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。