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ドクター・ストレンジ、TVAの存在を認識していたか? 「ロキ」脚本家が回答

ドクター・ストレンジ
Photo by DAVID HOLT https://www.flickr.com/photos/zongo/30548539612/ Remixed by THE RIVER

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のドラマシリーズ「ロキ」は、従来のMCUの常識を覆しかねない設定を突如投入した野心作だ。ロキが捕縛された組織・TVA(Time Variance Authority)は、神聖時系列を監視し、予定されていた流れに反する動きを摘発する機関。すなわち、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)でヒーローたちが命懸けでつかんだ勝利さえ、すべては“予定されていた流れ”ということになる。

あの時、サノスに勝利する道は「1,400万605分の1」しかないと言い切っていたのがドクター・ストレンジである。至高の魔術師であり、すべてを見通しているドクター・ストレンジは、TVAによって自分たちの運命が監視されていることを知っていたのだろうか。あるいは、ストレンジの師匠であるエンシェント・ワンは?

The Directは、この問いかけを「ロキ」脚本家のマイケル・ウォルドロンに直接ぶつけている。もっとも、ウォルドロンは「僕たちも知りません」と述べ、直接的な返答を避けており……。

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「彼ら(ストレンジとエンシェント・ワン)が知っていたら面白いですよね。僕たちのTVAに対する考え方は、カマー・タージの人々が魔法で物事に取り組む一方、TVAは書類仕事で取り組んでいる、というもの。官僚組織だし、もう少し科学に即しているのだと思います。」

かくいうウォルドロンは、「ロキ」に続いて『ドクター・ストレンジ』(2016)の続編映画『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(​原題)』でも脚本を担当。すなわち、TVAとカマー・タージ、ドクター・ストレンジをすべて描いた人物なのである。「僕たちも知らない」という言葉を鵜呑みにして良いものだろうか。

いずれにせよ、ウォルドロンのコメントは、MCUにおける“科学”と“魔術”のアプローチの違いを示すものだ。したがって、方法こそ異なるものの、ストレンジがTVAと同じように、“神聖時系列の予定された流れ”を認識していた可能性はある。ただし、TVAが時系列の外部に存在するのに対して、ストレンジはロキと同じく、いわばプレイヤーの一員だ。仮にすべてを知っていたにせよ、流れを予定通り遂行するために尽力するのがストレンジの役目だと考えることもできるだろう。

ともあれ、いよいよMCUにおけるマルチバースの可能性を開拓しはじめた「ロキ」と、タイトルに“マルチバース”を冠した『ドクター・ストレンジ』続編を一人の作家が書いていることは単なる偶然ではないはずだ。時系列をめぐる謎には、きっとウォルドロンによる仕掛けが施されているに違いない。

ディズニープラス オリジナルドラマシリーズ「ロキ」は配信中。映画『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題:Doctor Strange in the Multiverse of Madness)』は、2022年3月25日に米国公開予定。

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Source: The Direct

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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