テリー・ギリアム新作『ドン・キホーテを殺した男』初号試写は「すごく良かった」 ― 劇場公開は2018年夏か

『未来世紀ブラジル』(1985)や『12モンキーズ』(1996)、『Dr.パルナサスの鏡』(2009)などを手がけてきた鬼才テリー・ギリアムの最新作、『ドン・キホーテを殺した男(原題:The Man Who Killed Don Quixote)』がいよいよ完成へと近づいているようだ。すでに本編の初号試写が終わっていることをギリアム自身が明らかにしている。

本作『ドン・キホーテを殺した男』は、2000年の製作開始以来、あらゆる製作トラブルによって完成が先送りにされてきた作品だ。2002年には製作の舞台裏がドキュメンタリー映画『ロスト・イン・ラ・マンチャ』としてまとめられてもいる。過去19年で製作に8回挑んだというギリアムにとっては“悲願の一作”なのである。このたびは米Amazon Studiosの出資を受けて製作が再開され、2017年6月に撮影終了が報告されていた。

苦節17年、鬼才テリー・ギリアム悲願の新作『ドン・キホーテを殺した男』ついに撮影終了!

The Times誌にギリアムが語ったところによると、『ドン・キホーテを殺した男』は現在もポストプロダクションの最中で、「特殊効果や音楽の最終段階」にあるという。しかしすでに行われた試写で、監督はその出来ばえに早くも満足しつつあるようだ。
ギリアムの言葉からは、長らく完成しなかった映画がついにできあがろうとしていることへの喜び、また動揺が見え隠れしている。

「一方では本当に完成したことを喜んでいるんです。もう一方では少し怖いんですよ。十分良いものになってるのか、人生の25年を費やした価値があるのかって。先週、たくさんの友人や友人の友人、知りもしない人たちをたくさん招いて試写を行いました。(映画が)すごく良かったので心配していますよ。でも劇場公開まで、いつも別の自分がすぐに出てくるんです。“できる限り良いものになってるのか?”って言うんですよ。」

ほかの映画を手がけながらも、実に四半世紀におよぶ映画製作を終えようとしているギリアムは、本作で精神的にも肉体的にも非常に消耗したという。撮影終了時の様子を、彼はこのように振り返るのだ。

「(撮影が)終わる時にはひどい体調でした。そこまで全力を投じるつもりじゃなかったんですが、(撮影を終えて)ロンドンに戻った時には前立腺の大きな手術をしたんですよ。自分は死ぬつもりだったんだと思いました。ただ死ぬつもりだったんじゃなく、死んでいっていたんだと。」

『ドン・キホーテを殺した男』の米国での配給権はAmazon Studiosが保有しているが、その公開時期は正確にアナウンスされていない。ただしフランスでは2018年5月に公開予定報じられているため、遅くとも2018年夏には全世界で封切られるのではないかとみられる。

現代の鬼才が放つ渾身の新作は、間違いなく全映画ファンの注目作になることだろう。日本での公開情報も楽しみに待ちたいところだ。

Sources: https://www.thetimes.co.uk/article/terry-gilliam-the-man-who-killed-don-quixote-almost-killed-me-as-well-vx0tlgzgl
https://theplaylist.net/terry-gilliam-screening-don-quixote-20171005/
http://screenrant.com/don-quixote-movie-terry-gilliam-release-date/
Eyecatch Image: Photo by Vegafi ( https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Terry_Gilliam.jpg ) / Remixed by THE RIVER

About the author

稲垣 貴俊(Takatoshi Inagaki)。THE RIVER編集部。わかりやすいことはそのままに、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすくしてお伝えできればと思っております。

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