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PG-13版『デッドプール2』米国版タイトルは『ワンス・アポン・ア・デッドプール』に決定 ― クリスマス前のチャリティ上映に

デッドプール2
(C)2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

映画『デッドプール』シリーズの第2作『デッドプール2』(2018)をPG-13指定として再び劇場公開する企画の詳細が判明した。

Deadlineによると、PG-13版『デッドプール2』の米国版タイトルは『ワンス・アポン・ア・デッドプール(邦題未定、原題:Once Upon A Deadpool)』。当初、米国公開日は2018年12月21日の予定だったが、12月12日から12月24日までの期間限定公開へと変更されている。

タイトルの由来は、昔話の冒頭で語られる「むかしむかし(Once upon a time…)」。実は『ワンス・アポン・ア・デッドプール』では、『デッドプール2』を観客に再び提供する上で“物語の中で物語を語る”という構造を採用。『デッドプール2』の本編をPG-13指定で通用するように編集するのみならず、新たな切り口でストーリーを描き直すのだ。
主演・脚本・製作のライアン・レイノルズは、以前Twitterにて『プリンセス・ブライド・ストーリー』(1987)のパロディシーンが登場することを示唆。病気の孫に祖父が本を読み聞かせる場面を元ネタに、同作で孫を演じたフレッド・サベージを起用ししてもいる。

なお『ワンス・アポン・ア・デッドプール』は、チケット1枚につき1ドルを米国の非営利法人Fuck Cancerに寄付するチャリティ企画でもある。Fuck Cancerはガンの早期発見・早期治療を呼びかける非営利団体で、Fワードを堂々と団体名にした型破りな性質は『デッドプール』とのコラボレーションにもぴったり。しかし本作はあくまで“PG-13版”とあって、Fuck Cancerも一時的に名称を「Fudge Cancer」と改めたうえで企画に参加するとのこと。ちなみに“Fudge”とは“Fuck”の婉曲表現である。

本作の意図について、ライアンは以下のように述べている。

「2006年に(企画を)初めて以来、20世紀フォックスはPG-13指定を求めてきました。2006年以来、僕は“ノー”と言ってきたんです。でも今回は、ふたつの条件をつけて“イエス”と言いました。ひとつは収益の一部を寄付すること。もうひとつはフレッド・サベージを誘拐してくること。ふたつめの条件にはちょっと説明が必要でした…。」

脚本家のレット・リース&ポール・ワーニックは、以前『ワンス・アポン・ア・デッドプール』について「PG-13でこんなにうまく作れるなんて」「十分破壊的だし、楽しいし、クリエイティブで、『デッドプール』にしかできないものになりました」自信をのぞかせていた
編集段階ではR指定版より10分長かったようだが、今回の情報によれば『ワンス・アポン・ア・デッドプール』は『デッドプール2』よりも3分短いという。新たに撮り下ろされたのは全8シーンで、『デッドプール2』の合間に挿入される趣向になっているとのこと。ちなみに製作陣は新規シーンをたった1日で“ゲリラ的”に撮りきったとか。

ちなみに『ワンス・アポン・ア・デッドプール』は、ディズニーと20世紀フォックスの事業統合を直前に控える中で、『デッドプール』シリーズにどんな可能性があるかを示す、非常に有力な機会となりそうだ。R指定からPG-13指定への再編集、新たなストーリーテリングの採用、さらにチャリティ企画としての側面など、きわめて戦略的に練り上げられた仕掛けの数々に注目したい。

映画『ワンス・アポン・ア・デッドプール(邦題未定、原題:Once Upon A Deadpool)』は、2018年12月12日から12月24日まで米国にて期間限定公開。日本での情報を祈りながら待つばかりである。

なお、映画『デッドプール2』Blu-ray&DVDは発売中。

Source: Deadline

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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