Menu
(0)

Search

【ネタバレ】『デッドプール2』ケーブルの機械化に言及する予定だった ― 今後の作品で「背景きちんと描きたい」

デッドプール2
© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

映画『デッドプール2』(2018)で観客の心を掴むのは、おなじみウェイド・ウィルソン/デッドプールだけではない。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)ではサノスを演じた俳優ジョシュ・ブローリンによる新登場のミュータント、ケーブルも作品の大きな魅力だ。

しかしこのケーブルというキャラクター、コミックでは『デッドプール2』本編で描かれた以上に複雑な設定が用意されている人物である。脚本家のレット・リースはその一部を本編に取り入れるつもりだったこと、またいずれ来る続編の構想について語っていた。

注意

この記事には、映画『デッドプール2』のネタバレが含まれています。すでに作品を鑑賞された方向けの内容となりますのでご注意下さい。なお、このページをSNSにてシェア頂く際は、記事内容に触れないようお願い致します。

デッドプール2
© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

ケーブルとテクノ・オーガニック・ウイルス

『デッドプール2』において、ケーブルの背景はほとんど語られていない。大人になったラッセル/ファイヤー・フィストによって妻と子供を殺されたために、タイムトラベルでその原因を解消しようとしていることは示されているが、人間としての身体と機械が融合していることや、なぜタイムトラベルが可能なのかといった点について細かな説明がなされることはないのだ。

コミックのケーブルはサイコキネシスとテレパシーを操ることができ、その能力によって自分の身体を蝕んでいるテクノ・オーガニック・ウイルスを抑制している。テクノ・オーガニック・ウイルスは人間の身体を機械化し、いずれ全身を金属に変化させて命を奪うというものだ。ケーブルは幼少期に邪悪なるアポカリプスによって誘拐され、その際にウイルスを注入されたという設定なのである(編注:アポカリプスは2016年『X-MEN:アポカリプス』に登場。ただし『デッドプール2』で描かれた内容と整合性が取れるかは定かでないため、こうした背景に改変が加えられる可能性がある)。

『デッドプール2』の脚本を執筆したレット・リースは、こうしたケーブルの背景に本編で言及する予定だったものの、時間の都合で叶わなかったことを米ScreenRantにて明かしている。

「ケーブルには非常に複雑な背景があります。特に、彼を殺していくウイルスについてはきちんと描きたいんですよ。本作の脚本にも少しだけ(要素は)入っていたんですが、完成した映画には残りませんでした。人間から少しずつ機械になっている、というアイデアは掘り下げていきたいですね。」

ケーブル役のジョシュは、『デッドプール2』への出演にあたって20世紀フォックスと複数作品の契約を締結し、「4作品かけて充実した展開を用意したい」と述べた。もちろんレットも、キャラクターの背景のみならず複数の側面を描く意欲を示している。

「(ケーブルを)時間に追われていない男としても少しは描きたいと思っています。(『デッドプール2』では)理屈上、ケーブルをこの(現在の)時間に閉じ込めました。そして彼は、この世界をよりよいものにしようと考えているわけです。[中略]
それから、とにかくケーブルをデッドプールの引き立て役として扱いたいとも強く思います。彼は任務を負っている男ですから、失礼な言動やバカバカしいこと、イカれたことに気を散らされたくない。デッドプールにとっては完璧な引き立て役ですね。」

ただし『デッドプール2』を執筆したレット・リース&ポール・ワーニックは、しばらくの間「デッドプール」を休憩して別のプロジェクトに参加していく予定。いずれ復帰するかもしれないが、ひとまずは映画『Xフォース(仮題)』で脚本・監督を務めるドリュー・ゴダードにバトンを渡すことになる。
ドラマ『Marvel デアデビル』(2015-)を手がけ、映画『オデッセイ』(2015)の脚本を執筆したドリューは、果たしてケーブルにどんなストーリーを用意するのか……。演じるジョシュは、今から次の出番を楽しみにしているようだ。

「ドリュー・ゴダードのことは本当に大好きですよ。3回だけ話をしましたけど、素晴らしかった。最高の男だし、映画監督としての彼と仕事をするのが楽しみでね。彼の大ファンなので…『オデッセイ』やほかの作品も大好きなんです。
『デッドプール2』のラストに、デッドプールとケーブルがからかい合うところがありますよね。ああいうのが僕は好きなんですよ、エディ・マーフィとニック・ノルティ(編注:1982年『48時間』)みたいでしょう。」

映画『デッドプール2』は2018年6月1日より全国の映画館にて公開中

『デッドプール2』公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/deadpool/

Sources: SR(1, 2
© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

Writer

アバター画像
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。