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【ネタバレ】『グリーン・ランタン』脚本家、『デッドプール2』にコメント ― 「よくやった、ライアン・レイノルズ」

デッドプール2
(C)2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

ライアン・レイノルズ主演作品として、いまやイジられにイジられ続けている映画『グリーン・ランタン』(2011)の脚本家が、ついに『デッドプール2』(2018)にコメントした。

注意

この記事には、映画『デッドプール2』のネタバレが含まれています。すでに作品を鑑賞された方向けの内容となりますのでご注意下さい。なお、このページをSNSにてシェア頂く際は、記事内容に触れないようお願い致します。

デッドプール2
©2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

「よくやった、ライアン・レイノルズ」

ワーナー・ブラザース&DCコミックス製作の映画『グリーン・ランタン』は、ライアン・レイノルズがマーベル・ヒーローであるデッドプール役への就任以前に出演したヒーロー映画だ。残念ながら興行・批評の両面で厳しい戦いを強いられたせいか、あるいはライアンがネタにしすぎてしまったせいか、今では業界関係者や映画ファンにイジり倒されている一本だ。
たとえばデビッド・ベッカムにデッドプールが謝罪するプロモーション映像では、ベッカムに「君が謝るべきは『グリーン・ランタン』」と言わせているほか、トーク番組でライアンがジョシュ・ブローリンに「(僕の映画を観た)あなたが“この男はクソ”って言うところは想像できる」と口にしたところ、「それは『グリーン・ランタン』を観た時ね」と返されてしまっている……。

その極めつけが『デッドプール2』のポストクレジットシーンだろう。ケーブルのタイムトラベル装置を修理してもらったデッドプールは、過去に戻って、『グリーン・ランタン』の脚本を手に「大作に出られる」と喜ぶライアン・レイノルズを射殺するのだ。

このたび『グリーン・ランタン』の脚本家の一人であるマーク・グッゲンハイム氏は、『デッドプール2』の感想を端的に記した。

「『デッドプール2』を観ました。よくやった、ライアン・レイノルズ。よくやった。#グリーンランタン

まさかの絶賛である。『グリーン・ランタン』の脚本家は合計4人いるため、あとの3人やマーティン・キャンベル監督が本作をどう受け止めたのかはわからない。
しかしこれは、デッドプールの(時にブラックすぎる)ジョークが、いかに巻き込まれた側の懐の深さにかかっているかを物語るエピソードといえそうだ。現に『デッドプール2』の米国公開直後、ワーナーの米公式Twitterではライアンへの“ジョーク返し”が炸裂していたのである。

「ごめん、ライアン・レイノルズ。(グリーン・ランタンの)リングを返してもらわないと。」

このように、『デッドプール2』の笑いは非常にナイーブなものに支えられている。もちろんクリエイターやスタジオだけでなく、世の中には『グリーン・ランタン』を愛する人々も少なからずいるわけで、もしも彼らが一斉に怒り始めたらどうなるかは推して知るべしというところだ。ワーナー/DCイジりを許容した20世紀フォックスが、マーベルの親会社であるディズニーに関するネタをざっくりカットしたという後日談からもブラックジョークの難しさは十分にうかがえる。

ちなみにまったくの余談だが、『デッドプール2』のポストクレジットシーンが話題の今だからこそ、以前ライアンが語っていた『グリーン・ランタン』の脚本をめぐるエピソードをご紹介しておきたい。

『グリーン・ランタン』では撮影の途中まで脚本がなかったんです。厳しいことでしたけど、どうしようもなかった。この業界ではしばしば起こることですよ。ポスターと公開日が先にあって、撮影が始まって、残された時間でなんとかする。とにかくキツいですよね、全員がつらい思いをする。」

つまりこの世界の過去には、脚本を読んで「大作に出られる」と喜んだライアン・レイノルズは存在しなかったわけである。なるほど、あそこで射殺されたライアンは別世界のライアンだったのか……。

映画『デッドプール2』は2018年6月1日より全国の映画館にて公開中

『デッドプール2』公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/deadpool/

Sources: Marc Guggenheim, Warner Bros., The Playlist, Comicbook.com
© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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