Menu
(0)

Search

【ネタバレ】『デッドプール2』Xフォースの重要シーン、制作の舞台裏に迫る ― 「ほかのヒーロー映画がやれないことをやる」

デッドプール2
© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

映画デッドプール2』(2018)には、“俺ちゃん”ことデッドプール率いるヒーローチーム「Xフォース」が初登場を果たす。コミックの人気キャラクターであるドミノのほか、ベドラムやシャッタースター、ツァイトガイスト、バニッシャー、そして中年男性ピーターはとある任務のために出動するのだ。

本記事では、映画中盤で観客の度肝を抜いた、そんなXフォースにまつわる超重要シーンの舞台裏をご紹介したい。

注意

「マンダロリアン シーズン3」「アソーカ」解説

この記事には、映画『デッドプール2』のネタバレが含まれています。すでに作品を鑑賞された方向けの内容となりますのでご注意下さい。なお、このページをSNSにてシェア頂く際は、記事内容に触れないようお願い致します

デッドプール2
© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
デッドプール2
© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

Xフォース、強風のなか着陸で続々死亡

どうしてこんなことになってしまったのか。ミュータントの少年ラッセルを助け出すため、デッドプールたちXフォースのメンバーは飛行機からラッセルの乗る護送車を襲撃しようとする。しかし実行当日はあいにくの強風、パラシュートは風に煽られ、メンバーは次々と着地に失敗するのだった。
ベドラムはバスに轢かれ、シャッタースターはヘリコプターのプロペラに巻き込まれ、ツァイトガイストは粉砕機に飛び込み、彼を助けようとしたピーターは酸性のゲロで顔面を溶かされ、透明人間のバニッシャーは電線に引っかかって感電死する。

ドミノ以外のメンバーはあっけなくここで退場するが、実はそれぞれを演じる俳優の顔ぶれも豪華である。ベドラム役は『エクスペンダブルズ』シリーズのテリー・クルーズ、ツァイトガイスト役は『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017)でペニーワイズを演じたビル・スカルスガルド、シャッタースター役はドラマ『Marvel アイアン・フィスト』(2017)に出演したルイス・タン。ピーター役は、テレビドラマの脚本家としても活躍する人気コメディアンのロブ・デラニーだ。

『デッドプール2』の予告編には本編に存在しないXフォースの活躍シーンも含まれていたが、俳優陣は本編に使われないと知った上で宣伝用の撮影に臨んでいたという。脚本家のレット・リース&ポール・ワーニックは、Xフォースの活躍シーンを予告編のためにわざわざ撮影していたことを明かしている。

レット:俳優のみなさんは、本編に使われないことを知りながら撮影に参加することにすごく寛大でしたね。(予告編では)実際よりも彼らがたくさん登場するんだと観客を騙していたわけです。予告編やコマーシャルでは、ベドラムやシャッタースターが路上で敵を倒すところを見られます。それらが本編にないことは撮影時からすべてわかっていたんですよ。

ベドラム役のテリー・クルーズによると、実際には予告編に使われた以上に長いシーンが撮影されていたという。しかし彼にとって一番の課題は、早々に死んでしまうことを絶対にバラしてはいけなかったことだったとか。テリーは「妻にも話しませんでした。息子に“どんな役なの?”って聞かれた時には“言えないんだよ”って答えましたね」と話している(ちなみに、バニッシャー役がブラッド・ピットだったことはテリーもまったく知らなかったとのこと)。

ところでレットによれば、Xフォースのメンバーが一堂に会する飛行機のシーンは「すごく楽しい、最高の撮影だった」そう。ピーターが独り言を延々つぶやいたり、シャッタースターがポニーテールをつかんで投げたりと、俳優が思い思いの演技でお互いを爆笑させる状態になっていたという。残念ながらカットされてしまったわけだが、ぜひなんらかの形で見たいところだ。

「ほかのヒーロー映画がやれないことをやる」

しかしながら、シャッタースターにせよベドラムにせよ、コミックでは多くの読者に愛される人気キャラクターだ。そんな彼らを『デッドプール2』ではすぐに退場させてしまう展開について、脚本家たちはまったくためらわなかったのだろうか……?

ポール:本当に怖かったですよ、読者が子供の頃からよく知っているキャラクターたちですからね。シャッタースターが飛行機から飛び出して、死んで、それで終わりなんて。でも『デッドプール』の判断基準は“ほかのヒーロー映画がやれないことをやる”なので。普段は怖がってしまうような、限界を超えていく権利があるわけです。ショッキングでクレイジーで、ファニーなことをやる、そして自分たちなりの宣伝をするという。

ちなみに脚本家の二人とライアン・レイノルズにとって一番のお気に入りは、なんの能力も持っていないピーターだったとか。ポストクレジットシーンで運命が変わったピーターは今後の作品で再登場するのだろうか… と思いきや、その可能性はまだXフォースの全員に残されているようである。

ポール:ありがたいことに、デッドプールはケーブルのタイムトラベル装置を手に入れましたから。甦らせたいと思ったら、いつでもどのキャラクターでも復活させられるんですよ

そんな中、レットはピーターを主役にしたスピンオフ映画を希望しつつ、「つまらないだろうなあ…ピーターが養蜂したり毎日の収入を数えたりする映画なんて…」と話しているのだった。

映画『デッドプール2』は2018年6月1日より全国の映画館にて公開中

『デッドプール2』公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/deadpool/

Sources: EW, CinemaBlend, BusinessInsider, SR
© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

Writer

アバター画像
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly