『ドクター・ストレンジ』監督、続編の製作を熱望!一作目に出せなかったヴィランを登場させる計画か

映画『ドクター・ストレンジ』のスコット・デリクソン監督が、続編の製作を熱望している。2016年11月にアメリカで劇場公開された際から、監督は続編の可能性を示唆していたが、映画が大ヒットを記録したことで続編の製作は相当有力な状況だ。
2017年2月に発売される海外盤DVD/Blu-rayのプロモーションで、デリクソン監督は続編を監督したい意向を明らかにしている。かつて尋常ではない熱意で監督の座を射止めた人物だけに、次回に向けて熱烈なアピールを始めているとも考えられそうだ。
「可能性は否定できない」
情報サイト“SuperHeroHype”のインタビューで、『ドクター・ストレンジ』続編の可能性について、デリクソン監督はこう話している。
「何も否定することはないよ。(中略)僕たちは一作目で、異次元やマルチバースによる無限の可能性を生み出した。言いたいことは、それらを活用しなかったり、一作目に劣るものを作ったりすることは目的じゃないってことさ。コミック、とりわけスタン・リーとスティーブ・ディッコによるコミックは、常に予想外の舞台や展開をもたらしてきた。それは現在のコミック版『ドクター・ストレンジ』にも引き継がれていて、とても素晴らしいことだ。だから『ドクター・ストレンジ』の可能性を、僕は何も否定できないね」
このように冷静なコメントを出しているものの、監督はマーベル・スタジオでの仕事を非常に楽しんでいたようだ。ファンメディア“CinemaBlend.com”によるインタビューでは、続編への希望を熱烈に語っているのである。
「(続編を)ああ、とってもやりたいね。僕はこのキャラクター(ストレンジ)が大好きだし、この世界の可能性が大好きだよ。『ドクター・ストレンジ』の製作は、自分の人生で最もクリエイティブな経験だった。マーベルとそのスタッフは最高だね。彼らはアーティストで、エゴがないし、それに何より大切なことだけど、映画を愛してるんだ。何よりも映画が大好きなのさ。だから(続編を)やれたらと思うよ。まだ決まってないし、今はすべてがマーベルにかかっているのは分かってるけどね」
一作目に出せなかったヴィランとは
そもそも『ドクター・ストレンジ』がアメリカで公開された当時から、デリクソン監督は、映画を「氷山の一角」と表現しており、今後の展開についてもアイデアがあることを匂わせていた。そのなかでも監督が強調したのは、コミックに登場する“お気に入りのヴィラン”を、映画に登場させられなかったことである。
「ナイトメアというキャラクターと、悪夢の世界、夢の次元という概念がすごく好きなんだ」
ナイトメアとは、1963年のコミック“Strange Tales”#110に初登場したヴィランで、ストレンジにとっては最大の敵のひとりである。夢の世界を支配し、眠っている人々を悪夢の世界に引き込む能力を持っているキャラクターだ。これまでデリクソン監督は、コミック版『ドクター・ストレンジ』の、ナイトメアが登場するエピソードが大好きだったという。
そもそもデリクソン監督は、映画『ドクター・ストレンジ』に、当初ナイトメアを登場させようと考えていたらしい。しかし、ただでさえ複雑な世界観を紹介せねばならない上に、ナイトメアや夢の設定を盛り込むと、映画がより複雑になってしまうと考えて断念したようだ。もし続編を撮れるならば是非このアイデアを、という意志もありそうだ。
また監督は、『ドクター・ストレンジ』のシリーズ化について、アメコミ・ヒーロー映画の革命児となった『ダークナイト』を引き合いに出しつつ自らの構想を語ったことがあった。この時、きっと監督はナイトメアの存在を念頭に置いていたのではなかろうか……。
「『ダークナイト』が素晴らしい映画になったのは、バットマンのオリジン・ストーリー(『バットマン・ビギンズ』)がよくできていたからだ。(作品に)より深めるヴィランを投入するタイミングだったんだよ。ジョーカーだけじゃなく、トゥーフェイスもそうだ。あれは理屈抜きの体験だった。『ドクター・ストレンジ』でもそういうことをしたいんだ」
ちなみに今後、ストレンジは『ソー/ラグナロク(原題)』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に登場する。この2作品にデリクソン監督は関与していないが、彼はタイカ・ワイティティ監督やアンソニー&ジョー・ルッソ監督を全面的に信頼しているようだ。それどころか監督は、「どんなふうに彼らがストレンジを使うのか知りたくないんだ。映画を観てビックリしたいんだよ」と話しているほどである……。
映画『ドクター・ストレンジ』は劇場公開中。
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