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『ドクター・ストレンジ』を読み解く鍵は?未だかつてない映画体験&濃密な人間ドラマに注目すべし

マーベル・シネマティック・ユニバースの次回作『ドクター・ストレンジ』。アメリカでの公開まで3ヶ月を切っているにもかかわらず、具体的な情報は未だ明かされないままだ。

しかしメディアの取材に対して、主演のベネディクト・カンバーバッチやスコット・デリクソン監督らは、『ドクター・ストレンジ』を読み解く鍵を少しずつ語りはじめている。

洗練された魔術=ヴィジュアルの秘密

予告編を一目見てわかるように、『ドクター・ストレンジ』の大きな特徴はそのヴィジュアルにある。主人公のドクター・ストレンジを導くエンシェント・ワン役のティルダ・スウィントンは、「実験的な映画よ。マーベルは今まで誰も観たことのない映画を生み出そうとしている」と語っている。

スコット・デリクソン監督は『ドクター・ストレンジ』に登場する魔術が容易に説明できないものになることを明言しているが、その鮮やかなヴィジュアル表現は、まさに“説明できない”魔術に説得力を与えるものだろう。

「魔術はかんたんに真相が明らかにされるべきものじゃない。ミステリアスであるべきだ。魔術とはミステリーで、ミステリーはこの映画のトーンでもある。ミステリーって良いよね」

またデリクソン監督は、『ドクター・ストレンジ』はあらゆる作品にインスピレーションを受けているとも述べている。

「僕が言えることは、この映画は異次元を真剣に描いているということだよ。作品のヴィジュアル・デザインには、シュールレアリズムの絵画や写真、エッシャーの作品をかなり参考にしている。新しくてフレッシュなものを作るために最先端のVFXを使いたかったんだ」

http://www.ew.com/article/2016/08/12/doctor-strange-benedict-cumberbatch
http://www.ew.com/article/2016/08/12/doctor-strange-benedict-cumberbatch

『ドクター・ストレンジ』は複雑なドラマを内包する?

もっとも『ドクター・ストレンジ』は、そのヴィジュアル以上に複雑な人間ドラマをもつ映画なのかもしれない。ベネディクト・カンバーバッチは、ドクター・ストレンジをヒーローにするのは魔法ではないと話している。

「ストレンジはどん底の、さらに底まで叩き落とされる。でも彼がどれだけ耐えると思う? 彼は折れては立ち上がり、また折れて――これが彼をスーパーヒーローにするんだ。『なにが彼をヒーローにするんだ?』ってたくさんの人が聞くけど、僕の答えはこれだね。クローク・オブ・レヴィテーション(空飛ぶマント)でもアガモットの目(すべてを見通す魔具)でもなく、彼の中にあるパワーさ。全力疾走じゃなくてマラソンをするんだよ。ストレンジはとっても忍耐強い

またデリクソン監督は、ストレンジと対決する魔術師カエキリウス(演じるのはマッツ・ミケルセン)についてもその複雑さを語っている。

「僕はカエキリウスをヴィランとは呼びたくないし、マッツもヴィランとは呼ばないだろうね。カエキリウスはストレンジとは違う説得力を持っているんだよ。それが彼をすぐれた敵対者にしていると思う」

関係者が作品について語るほどに正体がつかめなくなる『ドクター・ストレンジ』だが、もう少しすると詳細な情報が公開されるものと思われる。日本では2017年1月27日公開予定、首を長くして待とう。

source:http://www.comicbookresources.com/article/doctor-strange-will-pull-some-s-out-no-ones-ever-seen-before-says-swinton
http://www.gamesradar.com/doctor-strange-director-says-the-magic-in-the-movie-will-never-be-explained-scientifically/
http://www.ew.com/article/2016/08/12/doctor-strange-benedict-cumberbatch

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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