イラク戦争の真実とは? 政府の腐敗をリアルに描いた『リーサル・ミッション』の社会派ドラマに注目

フセイン政権打倒とイラクの武装解除を目的に、イギリスとアメリカが決断した先のイラク戦争は、当時の日本にも大きな影響を及ぼした。国際世論の反対も虚しく戦端を切ったイラク戦争、そこに隠された真実に迫る硬派な社会派映画『リーサル・ミッション』が、オンライン上の映画館『DIGITAL SCREEN』で上映中だ。
イラク戦争の引き金となった大量破壊兵器、通称W.M.D.をイラク政府が隠し持っていると見込んだ米国・英国だったが、果たしてこの戦争には正当性があったのだろうか? そして政府の隠蔽するイラク戦争の真実とはなにか? 兵士たちの苦悩と自問自答の心境を描き、イラク戦争の過ちと政府の腐敗をリアルに示した傑作戦争ドラマが登場だ。
『リーサル・ミッション』あらすじ

イラク軍が密かに製造するという大量破壊兵器=W.M.D.を壊滅すべくアメリカ軍の特殊部隊がイラクに投入された。困難な状況の中、順調に作戦は進行しているかに見えたが、大統領が何者かに誘拐されるという前代未聞の事態が発生する。アメリカ軍の威信をかけて、速やかに大統領を救出するための絶対に失敗の出来ない究極の司令=リーサルミッションが発令された。大統領誘拐の目的は?!アメリカ軍最高の精鋭部隊は大統領救出という任務を遂行できるのか?生死をかけた極限の状況下、戦いの行方は?!!(『DIGITAL SCREEN』より引用)
イラク戦争の正当性を問う、左翼思想の野心作
そもそも米英が主張した開戦事由は、「フセイン政権は過去に大量破壊兵器(W.M.D.)の保有を公言し、現在もそれを保有する可能性が国際秩序を脅かす」というものだったが、実際にイラク国内で大量破壊兵器の存在は確認されていないのが事実だ。また、2001年のアメリカ同時多発テロの首謀者を匿っているとし、アフガニスタン紛争が勃発。その裏でイラクが暗躍しているなどと主張した。
米軍特殊部隊員のハンク・ギャリソン大尉は、そんなイラク戦争に対して強い疑問を抱いていた。彼は2001年9月11日のアメリカ同時多発テロに関わったとされる、複数の重要人物の殺害任務を請け負うも、実は“9.11”とは全く関係のない罪の無き人間だったことを知る。“9.11”の悲劇から愛国者としてテロリストへの復讐を誓うギャリソンだったが、次第に彼はこの矛盾した戦争、それを決断した大統領に対して強い憤りを覚える。
そして遂に、ギャリソン大尉とほか数名の仲間たちは、イラク・バグダッドを訪問する米国大統領の拉致計画を実行する。「アメリカ政府が決断を下したイラク戦争は誤りだった」という部分に焦点が当てられており、まさにアメリカ国内からすると左翼思想に感化された問題作であると言って差し支えない。表向きには戦争アクションのようにも見えるキービジュアルだが、実際はとても硬派な社会派ドラマに仕上がっている。
兵士の抱える苦悩に迫る、現実味のある密室ドラマ
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