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『ドクター・ストレンジ/MoM』サウジアラビア、エジプトで上映禁止に ─ 湾岸諸国で対応広がる可能性も

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マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)最新作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』がサウジアラビアとエジプトで上映禁止となったことがわかった。

本作は2022年5月5日(米国時間)より海外公開予定で、サウジアラビアやクウェート、カタールなど湾岸諸国でも同日に封切られる計画だった。しかし米The Hollywood Reporterによると、サウジアラビアでは「LGBTQに関する」理由のために上映禁止が決定されたとのこと。本作に登場する新キャラクター、アメリカ・チャベスが同性愛者の設定であるためだと報じられている。

またこの報道の後、エジプトでの上映も見送られたことが正式に判明した。IMAX社のエジプト公式SNSは、本作がエジプトで公開されないことを告知し、「中止(cancelled)」の文字が貼り付けられたポスタービジュアルを投稿に添えた。TwitterやInstagramには公開中止を悲しむユーザーの声が多数寄せられており、すでに劇場公開を求めるハッシュタグも生まれている。

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同性愛が法的に禁じられている湾岸諸国では、LGBTQに関する言及や表現のある作品が検閲を通らないことがしばしばある。同性愛者のスーパーヒーローとカップルが登場する『エターナルズ』(2021)や、トランスジェンダーの登場人物が追加された『ウエスト・サイド・ストーリー』(2021、日2022)は、サウジアラビア、クウェート、カタール、バーレーン、オマーンなどで上映禁止となった。

Varietyによると、サウジアラビアはディズニー/マーベルに対して『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の内容変更を求めたというが、スタジオ側は対応を拒否。これを受けて国内での上映禁止が決定されたという。なお『エターナルズ』でも同様の要求がなされており、ディズニーは基本的に拒否したが、アラブ首長国連邦では再編集版が上映された。

今後、湾岸諸国で『ドクター・ストレンジ』続編の上映禁止がさらに続く可能性は高い。The Hollywood Reporterは「クウェートでも上映が禁止されるとの情報はあるが、確認が取れていない」と報じているほか、現にクウェート、サウジアラビア、カタールではチケットの前売りが行われていない。ただしアラブ首長国連邦では前売りが始まっているため、予定通り5月5日に公開されるものとみられる。同国では最近になって検閲の緩和が進んでいるというが、本作がオリジナルのまま公開されるのか、『エターナルズ』と同じく再編集版となるのかは不明だ。

『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』は、日本では2022年5月4日(水・祝)より映画館で公開。

Sources: The Hollywood Reporter, Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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