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『デューン』は新たな『ロード・オブ・ザ・リング』目指す作品 ─ アートディレクターが映像のリアルさを絶賛「独創性に溢れている」

Timothee Chalamet ティモシー・シャラメ
A Photo by Somewhere In Toronto https://www.flickr.com/photos/terras/30755014688/

『ブレードランナー 2049』(2017)ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督最新作『デューン(原題:Dune)』は、圧巻の映像で観客を魅了するヴィルヌーヴ念願の企画とだけあり、その期待も高まるばかり。ビジュアルに携わるアートディレクターのトム・ブラウンによれば、本作は「新たな『ロード・オブ・ザ・リング』を目指している」のだという。

SF作家フランク・ハーバートによる傑作小説『デューン/砂の惑星』(ハヤカワ文庫SF刊)を映画化するヴィルヌーヴ版『デューン』は、“砂漠の惑星”アラキスを舞台に、没落した貴族の王子ポール・アトレイデス(ティモシー・シャラメ)の壮大な冒険が描かれる。米KIDS FIRST! Film Criticsのインタビューに登場したブラウンは、本作に登場する宇宙船を例に、その映像のリアルさを絶賛している。

「『デューン』の素晴らしいところは、かなりリアルであることです。前に見たことがあるような作品にはなりません。ドゥニと(プロダクション・デザイナーの)パトリスは、“この乗り物が本当に飛んでいたらなにが起こるだろうか”と考えながら取り組んでいます。ただ離陸して飛ぶだけのような宇宙船とは違って、本作に登場するのは驚くほどリアルなんです。摩天楼並みに大きい宇宙船もあれば、2人乗りの乗り物もありますけどね」。

こう語るブラウンは、ヴィルヌーヴによる本作を「この物語の萌芽的な(独創性に富んだ)バージョン」と呼ぶ。それ故か、「本当に正直に言えば、1番を取れるような作品ではない」とも認めているのだ。そもそも『デューン』は、複雑かつ難解であることから映像化不可能とも言われていた。1984年には、デヴィッド・リンチが映画化したが、やはり興行的及び批評的にも苦しい結果となっている。こうした背景を持つ作品の再映像化で、ヴィルヌーヴが目指しているのは、あくまで自身の解釈に則った『デューン』を世に届けることなのだろう。

「この作品のスケールは気の遠くなるようなものです。けれど、かなり特別な作品になるでしょう。ドゥニたちは、新しい『ロード・オブ・ザ・リング』を目指していると前に聞いたことがあるんですが、私はこれを信じています。そういう映画みたいになっていると思います。」

J・R・R・トールキンによる小説『指輪物語』を映像化したファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・リング』は、実在しないホビットやエルフの世界を、リアル且つ圧倒的な映像美で再現し、世界的大ヒットを記録したファンタジー映画の金字塔。これをヴィルヌーヴが目指すということは、映像化の困難な『デューン』だからこそ、一層の“リアルさ”を追求するということだろうか。

そんな『デューン』を少しでも体感できる機会が近々やってくる。主演のシャラメによれば、予告編が8月中にも公開されるというのだ。共演者のゼンデイヤもすでに予告編を確認済みで、思わずシャラメに電話してしまうほどの感銘を受けたという。

映画『デューン(原題:Dune)』は2020年12月18日に米国公開予定。

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Source: Indiewire , Timothee Chalamet Twitter

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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