『DUNE/デューン』レベッカ・ファーガソン、巨大すぎるセットで迷子に ─ 撮影からオフ時まで、「恋した企画」の経験を語る【インタビュー】

世界中の映画ファンから長いこと期待されてきたSF超大作がついにやってくる。その莫大すぎるスケールゆえに、映像化が最も困難なSF小説と言われ続けてきたフランク・ハーバートによる同名の一大叙事詩を現代で映画化した、『DUNE/デューン砂の惑星』だ。21世紀、ヴィジョンにテクノロジーが追いついた今、新たに映像化に挑んだのは、『メッセージ』(2016)や『ブレードランナー 2049』(2017)などで知られるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督だ。
公開を直前に控えた今、その魅力を最大限に味わってもらうため、THE RIVERでは封切り前日(10/14)までの4日間で、監督&主要キャストとのインタビュー、そして複数の上映フォーマットを体験した筆者による映画レビューをお届けしていく。第2回は、修道女ベネ・ゲセリットであり、主人公ポールの母親でもあるレディ・ジェシカを演じたレベッカ・ファーガソンのインタビューレポート。『DUNE/デューン』との出会いから撮影地でのハプニング、砂漠での思い出などをいきいきと語ってくれた。

『DUNE/デューン』との出会い、鳥肌が立った出来事
── あなたは原作のファンでしたか?レディ・ジェシカという役にはどのようにして取り組んだのでしょう。
正直に言うと、私は原作のファンではなかったんです。小説を読んでいなかったので。私のエージェントから、「ドゥニ・ヴィルヌーヴが、次のプロジェクトについてあなたと話したがっているけど、興味はある?」と言われました。私は「興味ある?」って言われるのが大好きなんです。私は「イエス。もちろん。今すぐに」って答えました。
それからドゥニは、彼の“ラブ・プロジェクト”について私に話してくれました。『DUNE』自体はもちろん聞いたことはありました。たぶん、前の(デヴィッド・リンチ版)『デューン/砂の惑星』も少し観たことがあると思うんですけど、私の心にはそれほど響かなかったんです。それでも私は、ドゥニによる夢の『DUNE/デューン』に、1時間半も浸りました。電話を終えて、受話器を置いた時は、「私はきっとこの役をもらえない。これをもらうのはあまりに現実的じゃない」って思いましたね。でも翌日、彼が私に電話をしてきて、この役をもらえたんです。そして、私はその世界に入った。
── 撮影について、あなたが好きだった経験をいくつか話してもらえますか?
気に入っていただけて嬉しいです。私もこの映画が大好き。あまりに大好きだから、この質問について話せて純粋に嬉しいです。でも、多くの人々がまだ観ていないから、私は我慢しないといけないんです。私は、(あまりに好きだから)そういう切迫感で、皆さんにストーリーや、どういうものなのかを無理やりにでも話してしまいたいくらいなんです。
私はティモシー(・シャラメ)の後、2番目にキャスティングされたと思います。それから徐々に、ドゥニが電話をしてきて、「この人が出演することになったよ」と教えてくれて。名前に次ぐ名前、キャラクターに次ぐキャラクターを。シャーロット・ランプリングが(ベネ・ゲセリットの教母役で)キャスティングされた時の私なんて、「そんなのあり得ない」って思いながら、全身に鳥肌が立ったのを覚えています。
私は世界で最も素晴らしい人たちと仕事をしてきましたし、今もそう。それでも、このアンサンブル(・キャスト)がそろった時に私が見せた反応には、自分でも驚いているくらいです。毎日セットにいるのは本当に素晴らしかった。みんなが全く違うふうに演技したから。主流(の演技)というものはありませんでした。誰も、何も証明する必要がなかった。誰もがただ彼ら自身でいて、彼ららしくあればよかったんです。そして、ちゃんと仕事をしないといけなかった。
迷子になった巨大なセットでの経験

── あなたとティモシーのシーンはたくさんあります。母親と子の関係は、ストーリーが進むにつれて起こる変化の一つです。キャラクターを作っていく過程で、母子の関係をどのように築いていきましたか?