【ネタバレ】『デューン 砂の惑星 PART2』サンドワームライドのシーン、撮影に44日かかっていた ─ 誰もが「どうやってやるんだ?」と驚く

この記事には、『デューン 砂の惑星 PART2』のネタバレが含まれています。

『デューン 砂の惑星 PART2』サンドワームライド、撮影に44日費やされる
「私たちは“神話会議”と呼んでいました。ドゥニが、まだ誰も見たことがない新しい絵コンテを持ち込んできた時に行われるものです」。米Varietyにこう語るのは、『デューン 砂の惑星 PART2』でプロダクションデザインを担当したパトリス・ヴァーメット。『PART2』ではヴァーメットをはじめ、撮影監督のグレイグ・フレイザー、衣装デザインのジャクリーン・ウェスト、編集のジョー・ウォーカー、音楽のハンス・ジマーといった前作の製作陣が揃って続投。ヴィルヌーヴ率いる“神話会議”では、各部門を率いる彼らがテーブルを囲い、アイデアの認識をすり合わせていったという。
ヴァーメットによれば、なかでも製作陣が揃って「おいおい、どうやってこれをやるんだ?相当なチャレンジだぞ」と感じたシーンがあるという。フレメンの一員となるための最終関門、サンドワームライドにポール・アトレイデスが挑戦するシーンだ。チャニやスティルガーらフレメンの仲間に見守られる中、サンパーを使って砂丘に振動を与えたポールは、なんと最大級のサンドワームを呼び寄せてしまった。轟音を立てながら前を進むサンドワームの背中に、ポールはなかば引き摺り込まれるようにして飛び乗り、なんとか成功させるのだった。

撮影監督のフレイザーも、同シークエンスの脚本を読んだ時を振り返り、「いったいどうやってやるんだ?”って思いました」と語っている。「(原作の)本では、ポールはサンドワームに乗りますが、もし我々が注意を怠れば、おかしなコンセプトになってしまいかねません。なので、観客が不信感を抱くことがないように注意しました」。
サンドワームライドのために、ヴァーメットは「長さ90フィート(約27メートル)、幅24フィート(約7.3メートル)のセット」を建設。サンドワームの表皮は「乾燥した湖」にヒントを得ながら再現された。「質感は柔らかくしながら、鱗のような肌触り。表皮が引っ張られるのに十分な質感を目指しました。フック用に開口部も設けました」とヴァーメットは振り返っている。
このほか、衣装担当のジャクリーン・ウェストが同シーンのためだけに新たなスティルスーツを製作すれば、撮影監督のフレイザーはリアリティを出すべく最適なカメラのポジションを追求するなど、各部門が試行錯誤を繰り返した。編集のジョー・ウォーカーによれば、撮影に要した日数はなんと44日。「さまざまな装置にさまざまなパーツが使われ、信じられないほど巧みな建築でした」と驚愕の制作現場を振り返っている。
無事撮影が終了し、視覚効果が施された後は、ウォーカーとヴィルヌーヴによる二人三脚の編集作業がスタートした。「間違いなく正しいものを作るべく、たくさん努力しました」とウォーカー。「誰も見たことがない全く新しいものを届けるため、常に必死でした」と製作陣の開拓精神を語った。
『デューン 砂の惑星 PART2』は公開中。
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Source:Variety