『デューン 砂の惑星 PART2』フェイド=ラウサ、ヒース・レジャー&ゲイリー・オールドマンから着想 ─ オースティン・バトラーは「邪悪を楽しんでいた」

『デューン 砂の惑星 PART2』では登場が待ち焦がれられていた物語のヴィラン、フェイド=ラウサがついに姿を現す。1984年のデヴィッド・リンチ版『デューン/砂の惑星』ではスティングが演じたことで話題となった同役には、『エルヴィス』(2022)で熱演を見せたオースティン・バトラーが抜擢された。
ハルコンネン家の統領、ウラディミール・ハルコンネン男爵の甥であるフェイド=ラウサは、サイコパスな戦士として悪名高い。そんなフェイドを怪演したオースティンは、演じる上で参考にした俳優が2人いたことを英NMEとのインタビューで明かしている。
1人目が、ゲイリー・オールドマン。「彼が演じてきた多くの役にインスパイアされてきました」と語るオースティンは、具体的に『レオン』、『トゥルー・ロマンス』、『フィフス・エレメント』と作品名も挙げている。この3作でオールドマンはいずれも狂気じみたキャラクターを演じており、オースティンが参考にしたのも合点がいく。

2人目の俳優が、ヒース・レジャー。彼が『ダークナイト』(2008)で演じたジョーカーに影響を受けてきた俳優は多いが、オースティンは特にレジャーの「遊び心」を研究したという。もっとも、レジャーによる特定の演技を参考にしたわけではないとも語っている。

そんなオースティンについて、「邪悪になることをものすごく楽しんでいた」と証言するのが、ハルコンネン男爵役を演じたステラン・スカルスガルド。あまりの憑依ぶりに「すごく笑ってしまった」とまで語っている。
オースティンがフェイドを演じる上で、特に意識したことの一つが声だ。ハルコンネン家といえば、一族全員が同じような容姿をしているが、オースティンは声まで揃えようとしたという。「彼(フェイド)は、バロンに多くのことで影響を受けているだろうと考えました。彼の話し方を想像した時に、子どもの頃から見てきた最も大きな力を持つ人のことを真似るだろうと思ったんです」。
スカルスガルドも「まるで(自分の声の)エコーを聞いているかのようでした」とオースティンの再現度を振り返る。「すごく正確でした」。
ちなみに、上述のオールドマンとレジャーは共に、撮影以外でも役に憑依するメソッド俳優としても知られている。オースティン自身、『エルヴィス』では私生活からエルヴィスになりきり、なんと3年間も家族と会わないほどだったというが、フェイド=ラウサを演じる上ではメソッド演技を実践しなかったという。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督も「カメラがオンになると憑依したように見えましたが、オフになったら、20〜30%くらいしかフェイドは残っていませんでしたよ」と語っていた。

映画『デューン 砂の惑星 PART2』は公開中。
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