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『ダンケルク』米国試写より感想ぞくぞく!「クリストファー・ノーランは現代最高の映画監督」「IMAXで観るべき」

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「強烈! 3つの時間軸で、3つの物語が同時に進んでいくの。素晴らしい音楽による、ほぼサイレント映画だった。矛盾してるかもしれませんね。とても大好きな映画。70ミリで観て!」

またウェブメディア「Bustle」のアナ・クラッセン氏は、本作の題材である「ダンケルクの戦い」を人々がよく知っているという前提から本作を語り、その魅力について述べている。

「『ダンケルク』は素晴らしかった。最初からラスト1秒まで、本当にスリリング。胸が張り裂けそうになるし、ドキドキするし、ハラハラしながら祈ったわ。ノーラン・ファンは喜んでいい。
『ダンケルク』はセリフが少ないけどすごくインパクトのある映画。あのビーチで何が起こったのかはみんなが知ってるけど、ノーランの解釈には観る価値があると思う」

またクラッセン氏は、本作におけるハリー・スタイルズのキャスティングについても特別にこう記している。

ハリー・スタイルズの役柄には驚いた、それが私に言えるすべてよ。でも彼をこんな風にキャスティングしたノーランに拍手を送るわ。またシンプルに、『ダンケルク』にハリー・スタイルズをキャスティングしたノーランは賢明だったと思う。なぜなら、この重要な作品を若い観客に届けられる可能性をもたらしたんだから」

さらに映画批評家のステファン・ウィッティ氏は、本作を「現代のストーリーテリングとクラシックな映画作りの融合」だと評したほか、ビジネスインサイダー誌のジェイソン・ゲラーシオ氏は過去のノーラン作品との違いにも言及している。

「『ダンケルク』には強い訴求力がある、しかし(過去の)ノーラン作品とは大きく違う映画だ。絶対にIMAXで観てほしい。トム・ハーディには10個しかセリフがないが素晴らしい。ハリー・スタイルズは人間を演じることができるんだ!!!」


具体的な内容を記すことはまだ許されていないのだろう、『ダンケルク』の観た記者たちは、ある種の失語状態のようになりながらもなんとか言葉を紡ぎ出そうと悪戦苦闘しているようですらある。
ここから伝わってくるのは、『ダンケルク』が明らかに映画体験そのものを重んじた作品であろうこと、何をおいてもIMAXで観るべき映画だということ、各セクションが恐るべき仕事ぶりを実現しているらしいことだ。
しかし、「果たして映画館で観客は何を見つめることになるのか」などというと、その表現はすでに誤っている予感がする。おそらくノーランは、『ダンケルク』で観客を戦場にいきなり放り出そうと試みているのではないだろうか。1時間47分というノーラン作品としては異例の上映時間は、ともすれば一種の“地獄めぐり”となっている可能性すらある……。

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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