『アベンジャーズ/エンドゲーム』の全世界興収記録、『アバター』が再逆転で王座奪還へ ─ 中国の再上映で好成績

映画『アバター』(2009)が、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)を抜き、興行収入の世界王者の座に再び返り咲こうとしている。米Varietyが報じた。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』は2019年4月26日に世界公開を迎え、マーベル・シネマティック・ユニバースの集大成にふさわしいメガヒットを記録。約3ヶ月後の7月21日には『アバター』(2009)の全世界興行収入である27億8,970万ドルを超え、全世界興行収入の歴代記録を更新したのである。
約20ヶ月を経て『アバター』が王座を取り戻そうとしている背景には、中国での『アバター』再上映がある。2021年3月12日、『アバター』は中国で350万ドルの興行収入を記録し、累計興収は27億9,260万ドルに到達。週明けにも『アベンジャーズ/エンドゲーム』の27億9,750万ドルを抜き、ランキングを逆転する可能性が高まってきた。
2021年2月中旬、中国では『唐人街探案3(英題:Detective Chinatown 3)』のオープニング興行収入が4億2,400万ドルを記録。『アベンジャーズ/エンドゲーム』の初週末興収3億5,700万ドルを抜いて、単独市場における初週末興行成績の記録を更新していた。これは中国国内だけの話題ではなく、アメリカで樹立された『エンドゲーム』の成績が中国で塗り替えられたという世界市場のトピック。中国映画市場の重要性と、中国の映画館がコロナ禍からの回復を果たしつつあることを意味するものだった。『アバター』の再上映が中国で健闘を見せていることも、いまだコロナ禍にあえぐ市場が少なくない中、中国市場の復活を示すものといえる。
もっとも、アメリカでも少しずつ映画館の営業を再開する動きが進んでいる。長らく停止状態にあったニューヨーク、ロサンゼルスの映画館も再開の見込みが立ちつつあり、ようやくハリウッドが目覚めようとしているのだ。いずれ米国・中国で『エンドゲーム』の再上映が行われれば、興収成績の再逆転も大いにありうるだろう。ただし、コロナ禍で劇場から人が遠のき、代わりにストリーミングサービスの普及がいっそう進行し、スタジオ各社が精力的に配信事業へと取り組んでいる今、『アバター』『エンドゲーム』ほどのヒット作が次に登場するのはいつなのか、そもそもそんなことがありえるのかは誰にも分からない。
Source: Variety