『アベンジャーズ/エンドゲーム』なぜキャプテン・マーベルのメイクは変わったのか ─ 単独映画の撮影、本作の後に実施されていた

キャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベルにとって、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は“第2戦”である。初登場となった単独映画『キャプテン・マーベル』で華々しいデビューを飾ってから、わずか2か月足らずで――劇中では24年ほど経過しているが――スクリーンに帰ってくる彼女は、どうやら95年のキャロルとは少しばかり雰囲気が異なるようだ。
ゆるやかなウェーブヘアはほとんどストレートになり、ナチュラルな雰囲気のあったメイクは、口紅の赤色が印象的な“きっちりメイク”に近づいた。こうした見た目の変化には、一部のファンから「男性目線の女性ヒーロー」との批判も寄せられたという。このたびアンソニー&ジョー・ルッソ監督は、キャプテン・マーベルのメイクが変化した理由を説明している。
『エンドゲーム』撮影、『キャプテン・マーベル』以前に実施されていた
『アベンジャーズ/エンドゲーム』と『キャプテン・マーベル』には“奇妙なねじれ”がある。2019年3月に公開され、1995年を舞台とした前者と、2019年4月末に公開され、おそらく2019年ごろを舞台とする後者では、公開の順序も物語の順序も『キャプテン・マーベル』の方が先だ。唯一、撮影時期だけがそうではない。『キャプテン・マーベル』の撮影が2018年3月に始まる以前、2017年8月に『エンドゲーム』の本撮影は始まり、2018年1月に終了しているのだ。
米/Filmの取材にて、ジョー・ルッソ監督は、「(『エンドゲーム』で)ブリー・ラーソンは初めてキャプテン・マーベルを演じたんです」と認めている。
「彼女(ブリー)は、この役柄がどんなものかということを試していたように思います。彼女と、彼女のメイクチームは選択肢を用意していました。彼女自身の映画(『キャプテン・マーベル』)が近づくにつれて、キャラクターへの深い理解を得ていったんでしょう。違う選択をするようになっていったし、彼女にはアーティストとして、自分の望む選択をする資格があるべきですしね。」
すなわちキャロルのメイクが変化したのは、ブリーが役柄を掘り下げていったゆえなのだ。撮影順と公開順が逆になっているが、『キャプテン・マーベル』の方にこそブリーの解釈は強く打ち出されていると考えるべきだろう。こうした“ねじれ”はマーベル・シネマティック・ユニバースならではの盲点だが、『エンドゲーム』後の作品でキャロルが現代に登場する際、きちんと解決する余地のある問題でもある。
ちなみにジョー監督が強調したように、キャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベルというキャラクターの造形には、ブリー自身やメイクチームのアイデアが多分に反映されている。ルッソ兄弟は「(役柄は)それぞれの俳優に所有権がある」という考えの持ち主で、キャラクターの特徴を視覚的に示す必要こそあれど、ヘアスタイルやメイクの選択は各俳優とメイクチームに委ねるそう。ルッソ監督作品に登場するナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウのヘアスタイルは、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)のブロンドを含めて、演じるスカーレット・ヨハンソン自身のアイデアが採用されているのだという。
映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は2019年4月26日(金)全国ロードショー。『キャプテン・マーベル』は全国の映画館にて公開中。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html
Source: /Film