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『アベンジャーズ/エンドゲーム』キャプテン・マーベルのスーツ、全編CGで描かれていた ─ 単独映画がもたらした影響とは

キャプテン・マーベル
© 2019 MARVEL

2019年3月に公開された『キャプテン・マーベル』、翌4月に公開された『アベンジャーズ/エンドゲーム』は、ちょっとした“ねじれ”のある2本の作品だ。劇場公開順とは裏腹に、本撮影は『エンドゲーム』のほうが先に行われていたのだ。ゆえに、『エンドゲーム』でのキャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベルのメイクは『キャプテン・マーベル』とは大きく異なっている。ジョー・ルッソ監督いわく、それは「ブリー・ラーソンが役柄がどんなものかを試していたから」だという。

しかし、『エンドゲーム』での実践が『キャプテン・マーベル』に活きた一方で、その逆もある。スケジュールの関係上、『キャプテン・マーベル』のほうが先に完成を迎えたことで、同作の表現が『エンドゲーム』に活かされた点もあったのだ。米Comicbook.comでは、視覚効果スーパーバイザーを務めたWeta Digitalのマット・アイトキン氏が、ポストプロダクション(仕上げ作業)での変更点を明かしている。

キャプテン・マーベルのスーツ、CGで再製作されていた

『エンドゲーム』の撮影において、ブリーは『キャプテン・マーベル』と同じキャプテン・マーベルのスーツをまとって本撮影に臨んでいたという。しかし編集段階になって、製作チームはそのことに違和感を覚えたという。『キャプテン・マーベル』の舞台となった1995年から四半世紀ほども経過しているのに、なぜ彼女は同じスーツを着ているのか?

「(ブリーは)衣裳部による素晴らしいコスチュームの実物を着て撮影したんですが、彼女のシーンを撮り終えてから、『キャプテン・マーベル』で着ていた25年前のスーツとは違うものにするという決断が下されました。そこで、ブリーのショットは衣裳を全てCGのスーツに置き換えたんです。」

すなわち『エンドゲーム』に登場するキャプテン・マーベルのルックは、『キャプテン・マーベル』撮影以前の試行錯誤が残った部分と、『キャプテン・マーベル』と差別化する意図で変更された部分のハイブリッドになっているのだ。今後の登場作品でどのようなデザインが採用されるのかは、未だ誰にもわからない。

もちろん、『エンドゲーム』のCGチームは『キャプテン・マーベル』チームと連携して製作を進めていたとのこと。『キャプテン・マーベル』の製作途中の映像を送ってもらい、どんな映像が出来上がりつつあるのかを確かめながら『エンドゲーム』のキャプテン・マーベルは形づくられていったのだ。特に大きかったのは、キャロルが力に覚醒し、身体から光を放っている状態(バイナリー・フォーム)の映像表現だった。

「(バイナリー・フォームで)どんな見た目になるのかを分かっておく必要がありました。それから自分たちなりのバージョンを作ったんです。(Weta Digital)社内のソフトウェアと方法で、同じことを成立させなくてはいけませんから。『キャプテン・マーベル』が出来上がっていくにつれ、すごいネタバレの映像も届くことになってしまったんですけどね。」

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は2019年4月26日(金)全国ロードショー。『キャプテン・マーベル』MovieNEXは2019年7月3日(水)発売。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html

ブリー・ラーソン、こんな撮影エピソードも

Source: ComicBook.com(1, 2

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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