Menu
(0)

Search

『アベンジャーズ/エンドゲーム』歴代記録更新、『アバター』ジェームズ・キャメロン監督が心境語る ─ 首位陥落も「大きな希望感じた」

アベンジャーズ/エンドゲーム
ⒸMarvel Studios 2019

2019年7月21日(米国時間)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』が映画の歴史を変えた。全世界興行収入ランキングで『アバター』(2009)を抜き、歴代記録を更新したのである。『タイタニック』(1997)から数えて約22年間、ランキングの王座に腰かけていたのは巨匠ジェームズ・キャメロンだった。

『エンドゲーム』の世界興収が『タイタニック』を抜いた際、そして『アバター』を抜いた際、キャメロンは2度にわたってマーベル・スタジオに祝福のメッセージを贈ってきた。そして今回、キャメロンは『エンドゲーム』の偉業達成について「大きな希望を感じました」と米Deadlineに語っている。興収記録更新について、キャメロンが心境を公に明かしたのは初めてだ。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』は、今でも人々は映画館に行くのだという明らかな証拠です。『アバター2』『アバター3』を作っていて、僕が怖かったのは、もう映画市場は変わってしまったのかもしれないということでした。何かを観るために真っ暗な部屋に行き、知らない人と一緒に座るということを、もはや人々は楽しめなくなっているんじゃないかと。」

ジェームズ・キャメロン
ジェームズ・キャメロン Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/28003289954

現在、キャメロンは『アバター』続編をなんと4作品準備中。2021年12月に第2作が米国公開されるのを皮切りに、2年に1作のペースで年末の映画商戦に登場する予定だ。2020年代、ディズニー/20世紀フォックスは『アバター』を『スター・ウォーズ』と並ぶ“年末の顔”とする方針なのである。しかし、『アバター2(仮題)』の製作真っただ中にあるキャメロンは、必要以上のプレッシャーを背負い込もうとはしていない。

「『アバター2』『アバター3』が、その時代を代表する成功となるかどうかは誰にも分かりません。挑戦していますが、できるかもしれないし、できないかもしれない。ポイントは、そういうこともまだ可能だということ。ストリーミングサービスなどのプラットフォームは誰でもすぐに利用できるし、自分の体験を思いのままにできる。そこで(劇場体験は)もう絶えてしまったのかもと思うよりは、ずっと幸せなことです。」

キャメロンが再三強調しているのは、『エンドゲーム』が劇場体験の有効性を証明したこと、あくまで彼自身は映画館での体験を重視したいと考えていることだ。ただし「大きなスクリーンが今でも存在することがうれしい。僕は大スクリーンが大好きだから」と話す一方で、ストリーミングについても「また違った形でキャラクターを描ける場所だと思う」と述べ、自分がいずれ作品を手がけることも否定してはいない。

「それでも僕が一番作りたいのは、みなさんが携帯電話の電源を切り、まるごと作品に参加する体験。みなさんは観客として、2時間や2時間半かけて参加するわけです。そして、そういう場所はまだ生きているということなんですよ。」

映画『アバター2(仮題)』は2021年12月17日に米国公開予定。

あわせて読みたい

Source: Deadline

Writer

アバター画像
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。