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『アベンジャーズ/エンドゲーム』バッキー、ラストの心境と役づくりをセバスチャン・スタンが明かす ─ 「俺はスティーブを応援してやらないと」

セバスチャン・スタン
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/48469201691/ Remixed by THE RIVER

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の集大成となったアベンジャーズ/エンドゲーム(2019)は、10年以上にわたって展開されてきた、いくつもの物語に区切りをつけた。『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)から始まった、スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカバッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャーの物語もそのひとつだ。

公開から1年が経った今、バッキー役のセバスチャン・スタンが、そのラストを演じるにあたっての役づくりを明かした。米The Hollywood Reporterでは、セバスチャンによる物語とキャラクターの解釈、ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー(原題:The Falcon and the Winter Soldier)」に繋がるキーワードがじっくりと語られている。

この記事には、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』の重大なネタバレが含まれています。

セバスチャン・スタン
Photo by Nina Hellebakken Hagen https://www.flickr.com/photos/bflyw/47071656624/

セバスチャン・スタン、バッキーの心境をどう解釈した?

「最後までとことん付き合うよ」。スティーブ・ロジャースとバッキー・バーンズにとって、お互いは唯一無二の存在だった。1940年代、まだスティーブがひ弱な青年だったころから、のちにバッキーがヒドラの洗脳を受けて暗殺者ウィンター・ソルジャーになった後は、ともに“現代まで生きてきてしまった”というアイデンティティを共有している。『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)ではかつての親友を取り戻すべく、そして『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)では“二人の親友”を守るため、スティーブは奔走する。それはスティーブ自身が、同時にバッキーの存在に守られているという証左でもあっただろう。

『エンドゲーム』のラストで、スティーブは過去から集めてきたインフィニティ・ストーンを元の場所に戻した、ひとり過去の時間に戻り、新しい人生を歩むことを決める「自分の人生を生きるのもいいかなと思ったんだ、トニーが言ってくれていたように」。その直前、バッキーはスティーブに「寂しくなるよ」と話しかける。スティーブが「俺がいない間に、バカなことしないようにな」と答えると、バッキーは「どうやってだよ、バカなところはお前が全部持ってくだろ」。

“バッキーはスティーブの意志を知っていたんですよね?”。インタビュアーの問いかけに、セバスチャンは「もちろん、その通りです。僕も(スティーブと)お別れをするつもりで演じました」と語っている。

「彼らはお互いの行動をずっと理解しあってきました。お互いのことがよく分かっていて、いうなれば“あいつのやりたいことは分かる。あいつの選択も分かる。僕は応援しよう”という関係性。そういうことが脚本に書かれていたので、そのまま撮りました。僕自身は、“あいつは向こうに行ったら、もう帰ってこない。でもそのことは言えないな、もし言ったら彼らはスティーブのやりたいことを止めるだろうし。まあ、俺は応援してやらなきゃ”という思いで演じていました。だけどその後、いきなり戻ってきた時には、“そんなつもりとは聞いてなかったぞ”って感じ。向こうに行って、盾をどうするのかは知ってたけど、また戻ってきて、しかも年を取ってるなんてね。」

本作を手がけたアンソニー&ジョー・ルッソ監督は、かつて「キャップとバッキーの物語が魅力的なのは、それが一種のラブストーリーだから」と語っていた。「二人は一緒に成長し、兄弟のように──もしくはそれ以上に──気持ちが繋がっている。それはバッキーが、スティーブが成長する上での全てだったからでもあります」。ルッソ監督と『ウィンター・ソルジャー』からタッグを組んできたセバスチャンも、自身の解釈を近い視点から深めてきたのだろう。

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
©Walt Disney Studios / Supplied by LMK / 写真:ゼータ イメージ

もっとも、スティーブとバッキーに『エンドゲーム』で長い時間が割かれなかったこと、また曖昧さをはらんだラストになったことには一部で意見が分かれた。これについて、セバスチャンは「二人の関係をもっと描いてほしいと思われていたんですよね」と理解を示しながらも、同時に「僕はそうは思わなかった」との意見を語っている。

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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