まだ間に合う、ゼロからの『アベンジャーズ/エンドゲーム』最短予習ガイド ─ 監督&脚本家の証言で考える「忙しい人のためのMCU攻略法」

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』がまもなくやってくる。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の11年間、全22作品の集大成となる本作は、これまで展開されてきた物語の大詰め(=エンドゲーム)、いわば「連続モノの最終回」である。すでに世界各国での歴史的ヒットが約束され、日本でも大きな盛り上がりを見せつつある今、この“お祭り”に立ち会わない手はない。
しかし繰り返すが、本作はMCU全22作品の集大成である。「今までの作品をほぼ観ていない、まったく観ていない」という方には敷居が高すぎるのも事実だろう。それに知識ゼロで観てもいいが、何かしら知っておいたほうが絶対に面白い。そこで今回は製作者たちの証言を頼りに、今からでも、ゼロからでも間に合う『アベンジャーズ/エンドゲーム』予習作戦を検討してみよう。まだMCUを知らない人も、過去作品をかなり忘れてしまった人も、なんとか最短ルートで『エンドゲーム』へ…!
『アベンジャーズ/エンドゲーム』最短予習ガイド
まずはマーベル・スタジオが米国を対象として公開した、2分30秒のスポット映像「To the End」をご覧いただきたい。英語がわからなくとも大丈夫、まずは過去21作品にどんなヒーローやヴィラン(悪役)が登場し、どんな世界が描かれてきたのか、その雰囲気をざっくりとでも掴んでいただければ幸いである。
アンソニー&ジョー・ルッソ監督が選ぶ3本
まずは『エンドゲーム』を手がけたアンソニー&ジョー・ルッソ監督の薦める3本をチェックしてみよう。アンソニー監督は『エンドゲーム』について、「(MCUを)まったく観ていない人でも楽しめるようにストーリーを組み立てています」と強調。「観客が増えているということは、以前の作品を観ていない人たちが最近の映画を観ているということ。ですから、初めて観る人にも語りかけることを大切にしています」という。
とはいえアンソニー監督も、本作の物語が過去の作品と繋がっていることをはっきりと認めている。そこで入門のために薦めているのは、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)と『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)だった。
「『シビル・ウォー』と『インフィニティ・ウォー』が、今回の映画へと続く2本の導入といえます。アベンジャーズが分裂するという状況を生み出したのは『シビル・ウォー』ですから。トニー・スターク/アイアンマンとスティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカの関係が断たれたことが、『インフィニティ・ウォー』でアベンジャーズを脆い状態にしたわけです。サノスに敗れてしまったのは、史上最大の脅威が登場した時、彼らが分裂していたためだと思いますよ。」

またジョー監督は、「『シビル・ウォー』の出来事が『エンドゲーム』まで尾を引いているんです」と述べたうえで、さらに1作品を加えるとすれば『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)だと語っている。「私たちの監督した4本は、それぞれがテーマ的に繋がっているんです」。
同じくアンソニー監督も、キャプテン・アメリカというキャラクターについて語る中でこのことを明らかにしていた。
「(『エンドゲーム』は)『ウィンター・ソルジャー』で始めた物語にきちんと焦点を絞っています。あの作品で僕たちはMCUに加わったので、あそこから物語を進めてくることにしました。[中略](『ウィンター・ソルジャー』以来)僕たちはずっとスティーブ・ロジャースの弱さや脆さを描こうとしてきました。彼の強さや道徳性は、その信条に率直かつ忠実なもの。でも僕たちはそうではない方向を、簡単な答えを見つけられないところを目指したかった。誰にでも通じる複雑な人間性と脆さ、共感できる部分を探ってきたんです。『エンドゲーム』でも、そういう部分をたっぷり見ていただけると思います。」
