『アベンジャーズ』サノス役、原作者の想像ではシュワちゃんかイドリス・エルバだった ─ 「今ではジョシュ・ブローリン以外想像できない」

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)集大成である『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』および『アベンジャーズ/エンドゲーム』を傑作たらしめているのには、MCU最強のヴィランであるサノスの存在感によるところも大きい。岩石のようにたくましい骨格を紫色のSF的皮膚で覆った巨体キャラクターという極めてコミック然とした容姿のこのヴィランは、ジョシュ・ブローリンによるモーション・キャプチャーとどすの効いた低い声によって現実的に果てしなく恐ろしい悪役として実写化、ヒーローたちを存分に苦しめる。
原作者ジム・スターリンも大満足
原作コミックにおけるサノスの初登場は、1973年の『The Invincible Iron Man #55』。サノスを生み出したライター兼アーティストのジム・スターリンは当初、ジョシュ・ブローリンがこのキャラクターを演じるとは思ってもみなかったという。米Discussing Filmに語った。
「製作陣がサノスを演じる役者の名前を挙げ始めたころ、私はジョシュ・ブローリンなんて全く想定していなかったんです。でも今はこのキャラクターを見ると、彼以外に演じられた人なんていただろうかと思いますね。彼はサノスの所作や言葉のリズムを捉えていて、キャラクターに驚くほどの重量感を与えています。彼に対する不満なんて聞いたことがありませんからね。人物描写も素晴らしくて、新作(『エンドゲーム』)ではもっと凄いんです。」
サノスの人物描写に深みが感じられるのは、名優ジョシュ・ブローリンがモーション・キャプチャーで表情や所作の細かなところを投影しているからだ。ジムは当初、サノスは「もっとCG/アニメーションで描かれると思っていた」という。
「声優には、アーノルド・シュワルツェネッガーやイドリス・エルバあたりの、しゃがれた声が出せる方が演じるんだろうなと思っていました。ブローリンが挙がったことで、他の候補者とは違う、抑揚のある方向に向かっていったんです。その結果、彼はサノスを悪夢のセックス・シンボルのような存在にしてくれたと思いますね。」
今となっては、ジムが「彼以外に考えられない」と認めるように、シュワルツェネッガーやイドリスがサノスを演じていたらとは想像もできない。(もっとも、イドリス・エルバは『マイティ・ソー』シリーズにヘイムダル役として出演していたので、キャスティングはほぼ不可能だっただろう。)
もしも彼らがヴィランを演じていたら?その想像には、シュワルツェネッガーがMr.フリーズを演じた『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』(1997)を、そしてイドリス・エルバが「黒いスーパーマン」を自称する悪役ブリクストンとして出演する『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(2019年8月2日公開)を観るとしよう。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』は大ヒット公開中。
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『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html