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ウィル・スミス、撮影済みの新作アクション映画どうなる ─ 監督は「自己最高傑作」と自信

ウィル・スミス
© THE RIVER

2022年3月、米アカデミー賞の授賞式にてプレゼンターのクリス・ロックをビンタしたことは、ウィル・スミスのキャリアにおける大きな転換点となるものだ。ウィルは謝罪文を発表し、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーを退会。アカデミー側は、ウィルを10年間の“出入禁止”および参加資格を剥奪するとの処分を決定した。

騒動の後、ウィルの関与していた企画は相次いで保留状態になったと伝えられているが、すでに撮影が終わっていた企画がある。『イコライザー』シリーズのアントワーン・フークア監督とタッグを組んだ実話アクション映画『Emancipation(原題)』だ。配給権はAppleが約130億円もの巨額を投じて獲得しており、以前は劇場公開後にApple TV+で世界配信されると報じられていた

しかし、ウィルの今後の活動について見通しが立たず、本人のイメージ回復も大きな課題となっている今、『Emancipation』はどのような扱いとなるのか? 米The Playlistでは、フークア監督が「まだ公開日は決まっていません」とコメント。しかし、その完成度には大きな自信があるようだ。

長編映画としては、私が今まで作った中で一番の作品になっています。監督として、誰もが成長することを望むもの……(本作では)私の魂に成長が見られたように思うのです。壮大な映画ですよ。」

フークアの代表作といえば、デンゼル・ワシントンがアカデミー賞主演男優賞を受賞した『トレーニング デイ』(2001)や、『荒野の七人』(1960)をリメイクした『マグニフィセント・セブン』(2016)などがある。しかしフークアは、それら以上の手応えをこの映画に感じているのだろう。

『Emancipation』は南北戦争中のアメリカを舞台に、自由を求めてアメリカ北部を目指した南部の奴隷・ピーターの旅路を描く実話アクション・スリラー。容赦ない追手から逃れ、ルイジアナ州の沼地を裸足で駆けるピーターは、自然の脅威や獰猛な生物たちとも対峙しながら、10日間に渡る決死の逃避行を繰り広げることになる。実際のピーターの写真には悲惨な虐待の跡が見て取れ、これが世界に広まったことをきっかけに奴隷制度廃止を求める声が高まったといわれる。

かつては奴隷制度を描く映画に出演することを避けてきたというウィルだが、本作は「愛と、黒人による愛の力についての物語」であり、自身が感動したことから出演を快諾したとコメント。『ドリームプラン』(2021)で数々の映画賞に輝いたウィルだけに、きっと本作でも卓越した演技を見せてくれているはずだ。

当初、本作は2022年の映画賞シーズンに公開される予定だったが、Apple側は複数の事情から公開を2023年に延期することを発表。ウィルに対する世間の反応や、映画が受け入れられるタイミングを探っていくことになるとみられる。

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Source: The Playlist

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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