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もう『アベンジャーズ/エンドゲーム』を超えるオープニング記録は無理だろう ─ 「あれが劇場映画の頂点だった」ルッソ監督

アベンジャーズ/エンドゲーム
© 2019 MARVEL

劇場映画の栄華は、既に過ぎ去ったのだろうか?2019年の『アベンジャーズ/エンドゲーム』のルッソ監督は、今後同作を越える作品は登場しないだろうと述べている。

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU』のフェーズ3までの集大成『エンドゲーム』は、『インフィニティ・ウォー』との2部作後編として、世界的な注目を集めた大作だ。最終的な世界累計興収は約27億9,750万ドル。これは歴代2位の大記録である。

とりわけ凄まじいのは初週末記録だ。アメリカでは約3億5,711ドル、世界累計では12億ドルの興行収入を、最初の週末だけ打ち立てた。この比類なき功績を、今後いかなる作品も再現できないだろうと語るのは、同作監督のジョー・ルッソだ。「もう二度とできないだろう」と、米Varietyに語っている。

あれが劇場映画製作の頂点だったんですよ。僕らがAGBOを始めたとき、既に風向きが変わってるなと思いましたし」。

AGBOとは、ジョーが兄アンソニーと2016年に設立した独立系の映画製作会社だ。この度のインタビューでアンソニーが「僕たちはフィーチャリストで、新しいテクノロジーが好き」と語っているように、ルッソ兄弟は映画業界に対し急進主義的な考えを持つ。『エンドゲーム』以降はストリーミング配信映画にも活路を見出し、Netflixには『モスル あるSWAT部隊の戦い』(2019)『タイラー・レイク -命の奪還-』(2020)『グレイマン』(2022)などや、Apple TV+には『チェリー』(2021)といった作品を提供した。過去のルッソの発言によると、古風な映画スタジオとは異なり、ストリーミング配信社にはテック企業のような放任主義があり、予算管理面でもストレスなく製作できる利点があるという。

『エンドゲーム』に話題を戻すと、ルッソ兄弟は将来にわたって『エンドゲーム』級の興収記録を打ち立てる作品は出てこないだろうと見ているようだ。マーベル・シネマティック・ユニバースは2025年と2026年に新たなる『アベンジャーズ』クロスオーバー2部作、『ザ・カーン・ダイナスティ(原題)』と『シークレット・ウォーズ(原題)』を控えるが、これらの記録は当然『エンドゲーム』と比較されることになるだろう。

アンソニーは「時代の変化は早い」と話しているが、わずか3年後でありながら、劇場映画を取り巻く環境がどのように変化するかを想像することは難しい。今から3年前、コロナ禍以前の頃に現在の環境を正しく予測できなかったことにも明らかだ。

ルッソ兄弟が、今後またマーベル・スタジオと仕事できるかも現時点では不明瞭。「常に話はしています。何がうまくいくかを見極める必要がある」とジョーは言う。「でも2020年代の終わりまで、マーベルと一緒にやれる準備がない」。

なぜルッソ監督は配信作品に重きを置くのか?

Source:Variety

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。