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『E.T.』主人公エリオットの子役ヘンリー・トーマスの現在 ─ キャスティング秘話から近年の出演作まで

Henry Thomas ヘンリー・トーマス
WENN/Avalon 写真:ゼータイメージ

スティーブン・スピルバーグ監督の代表作『E.T.』(1982)で主人公エリオット役に大抜擢されたヘンリー・トーマス。『ホーム・アローン』シリーズのマコーレー・カルキンや『ターミネーター2』(1991)のエドワード・ファーロングらと同様、“天才子役”として注目を集めた役者の1人だ。

『E.T.』の公開から約38年。米公開当時10歳だったトーマスも来たる2021年で50歳を迎える。未だに愛される不朽の名作が故に、「E.T.のエリオット」のイメージが強いトーマスだが、本作出演後も数々の映画・ドラマに出演しているのだ。

本記事では、『E.T.』出演後の彼の歩みを踏まえた上で近年の出演作をピックアップ、“俳優ヘンリー・トーマスの現在”をご紹介する。

スピルバーグ監督を泣かせたオーディションでエリオット役を射止める

トーマスの役者デビューは1981年。後に『シン・レッド・ライン』(1998)『レヴェナント: 蘇えりし者』(2015)などのプロダクション・デザイナーとして知られるようになるジャック・フィスクの監督デビュー作『Raggedy Man(原題)』だ。同作の後、テレビ映画への出演を経て『E.T.』の主役に大抜擢された。

この時点で出演経験が豊富とは言えないものの、トーマスは『E.T.』のオーディションで確かな実力を発揮。キャスティング・ディレクターのマーシー・ライロフによれば、オーディションでのトーマスは、監督のスティーブン・スピルバーグを含め、その場の関係者に涙を流させるほどの熱演をやってのけたという。当時のオーディション映像では、その場で合格を告げられるトーマスの“天才ぶり”が残されている。

本作で一躍注目を浴びたトーマスは、ゴールデングローブ賞の新人男優賞や英国アカデミー賞の最優秀新人賞などにノミネートされるなど、役者としても高評価を得た。

『E.T.』後の出演作

『E.T.』後は、『ウィンター・ローズ』(1984)で名優ジーン・ハックマンと親子役を演じた他、コリン・ファース出演『恋の掟』(1989)などに出演。1990年代に入ると、SF映画『ファイヤー・イン・ザ・スカイ/未知からの生還』(1993)やヒューマンドラマ『ウェストン家の奇蹟』(1994)、恋愛映画『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』(1994)など、出演ジャンルの幅を広げながら活躍した。1996年には法廷映画『誘導尋問』(1995)で自身2度目のゴールデングローブ賞にノミネートされている。

2002年にはマーティン・スコセッシ監督作『ギャング・オブ・ニューヨーク』で主演レオナルド・ディカプリオの幼馴染役を好演。ほかフィンランド出身のミカ・カウリスマキ監督作『Honey Baby(原題)』(2004)やイーライ・ロス主演のホラー『Don’t Look Up(原題)』(2009)などに出演した。2010年以降のフィルモグラフィーについては近年の代表作を挙げてご紹介する。

「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」(2018)

米作家シャーリイ・ジャクスンによる小説「丘の屋敷」をドラマ化したNetflixオリジナルシリーズ。クリエイター・監督・脚本・製作を『オキュラス/怨霊鏡』(2013)『サイレンス』(2016)などのマイク・フラナガンが務めた。20年以上前の夏に幽霊屋敷「ヒルハウス」に越してきたクレイン家を巡るホラー作品だ。

『ウィジャ ビギニング ~呪い襲い殺す~』(2016)『ジェラルドのゲーム』(2017)などでタッグを組んできたトーマスとフラナガン監督。トーマスは本シリーズで、クレイン家の父ヒューの若き頃を演じている。

『ドクター・スリープ』(2019)

ホラー小説の巨匠スティーヴン・キングによる傑作『シャイニング』の続編を映画化した作品。トーマスは「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」に続いてフラナガン監督作に出演した。

本作で、トーマスはある重要なキャラクターを演じている。実際に自らの目で確かめて頂きたいというのもあり、その役柄はここではあえて伏せておきたい。とは言うものの、『E.T.』でのトーマスを念頭に探そうとすると、あまりの変貌ぶりに気づかず見逃してしまうかもしれない。

「スターガール(原題:Stargirl)」(2020)

DCドラマ「スターガール」は、ヒーローチーム「ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ(JSA)」の意志を継いだ新世代ヒーロー、スターガールの活躍を描く作品。トーマスは本シリーズで自身初のスーパーヒーロー役を演じている。

そのキャラクターとは、ゴールデン・エイジのJSAメンバー、ドクター・ミッドナイト/チャールズ・マクナイダー。下記の写真、赤いスーツに身を包んでいるのがトーマスだ。暗闇でしか目が利かない盲目のヒーローという難しい役どころではあるが、50歳を手前にしたトーマスにとって、新たな挑戦となった1作かもしれない

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「ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー」(2020)

「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」(2018)に続く新章。フラナガンとの再々々…タッグだ。1980年代のイングランドを舞台に、ブライマナーという屋敷にて、二人の孤児の世話のために雇われた家庭教師に起きる怪奇を描いた物語。前章から連続出演となったトーマスだが、今作では新たな役での出演となる。2020年10月9日よりNetflix独占配信。

今後の出演予定作

トーマスは今後の出演作として3つの企画に参加している。バイカーギャングの抗争描くクライムアクション『Riptide(原題)』ではヴァル・キルマーと共演。これに続けて、両親を亡くした17歳の少女を描くヒューマンドラマ『Barely Afloat (原題)』と、マイク・フラナガンが製作を務めるNetflixのホラードラマ「ミッドナイト・マス(原題:Midnight Mass)」に出演する。

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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