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『E.T.』でE.T.がエリオットの母親メアリーに恋心を抱くシーンがあった ─ メアリー役がスピルバーグに反対して変更に

E.T.
A UNIVERSAL PICTURE ©2024, 1982 UNIVERSAL STUDIOS

スティーブン・スピルバーグ監督作『E.T.』はSF映画やジュブナイルとして、そして家族の絆を考えさせるホームドラマとしても秀逸だが、製作当時は恋愛を想起させる描写があったそうだ。主人公エリオットの母メアリーを演じたディー・ウォレスはこのアイデアに反対したそうで……。

地球に取り残されたE.T.(地球外生命体)と、エリオットを中心とする子どもたちの交流や温かい友情を描いた『E.T.』。夫と別居中の母メアリーはエリオットと兄マイケル、妹ガーティに対する責任を感じつつも、子どもたちを守り、協力する頼もしい母親像を印象付けた。

同作についてウォレスはPodcast番組Still Here Hollywoodにて、カルロ・ランバルディによる視覚効果も、脚本も素晴らしかったと振り返っている。しかしスピルバーグとは一度だけ、クリエイティブ面について意見が食い違ったことがあるのだとか。「E.T.がメアリーに恋心を抱くB級のストーリーが『E.T.』にはあったんですよ。その断片が少し残っていますね」と言及し、製作サイドが考えていた展開について明かした。

「私が寝ているときに、彼が私のベッドサイドテーブルにキャンディーを置くシーンがあったんです。ええ、スピルバーグは私が納得するよりもさらに、シーツを下げさせたがっていたんですよ。」

この意向に違和感を覚えたウォレスは「これはファミリー映画だと思う」とスピルバーグに面と向かって意見を主張したそう。

「『ポルターガイスト』なら両親が大麻を吸うことも理解はできます、でも『E.T.』は私にとってはとてもピュアな作品で、愛についての作品でもあります。だから素晴らしい脚本家のキャスリーン・ケネディとメリッサ(・マシスン)に相談したら、賛同してくれました。歩み寄った結果、シーツを私の肩甲骨あたりまであげることになりました。」

ウォレスも語るように、『E.T.』の魅力は、そのピュアで無垢な絆や関係性によるところが大きい。ウォレスが勇気をもってスピルバーグに掛け合ったことが正しかったと確信できるエピソードだ。

Source:Still Here Hollywood

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Yuka ShingaiYuka Shingai

携帯向け音楽配信事業にて社内SE、マーケティング業務に従事した後、妊娠・出産を機にフリーライターに転向。 映画とお酒と化粧品が好き。日課のオンライン英会話でもしょっちゅう映画の話をしています。

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