『エターナルズ』には「無尽蔵の資金とリソースがあった、それは実は危険なことだ」と監督が振り返る

無限の資金とリソースを手にしたら、どんな映画を作りたい?実はこの制約のなさは、クリエイティブ面において危険なことであると、マーベル映画『エターナルズ』を手がけた監督は振り返っている。
中国出身のジャオ監督は『ザ・ライダー』(2017)や『ノマドランド』(2020)といった、より親密なインディー映画で優れた映像作家として注目を集めていたところ、マーベル・スタジオの大作『エターナルズ』(2021)に突然の大抜擢。同作は、アンジェリーナ・ジョリーらAリスト俳優が大勢出演し、さらにジャオ監督のフィルモグラフィーとは対照的に大規模なVFXが多用される種類のものとなった。
興行面では成功したと言い難い『エターナルズ』を経て、ジャオは再び地に足着いた映画制作に戻っている。現在手掛けているのはシェイクスピアの名作『ハムレット』誕生に基づく『Hamnet(原題)』。同作では、『エターナルズ』での学びも活きた。米Vanity Fairに語っている。
「『エターナルズ』は世界観構築の面で、私にとって『Hamnet』への事前準備となりました。それまで私は、現実世界に実在する映画だけをやってきました。何をすべきか、何をすべきでないかも学びました。何がリアルで、何がリアルでないかを。」
さらにジャオは『エターナルズ』の制作について「無尽蔵の資金とリソースがありました」「制約がほとんどなかったのですが、それって実はとても危険なこと」と実感を語る。対する『Hamnet』はもっと小規模であるため、「持っているのはストラトフォード(=シェイクスピアの故郷)を再現する一つの街角だけ」「その一角だけだから、突然全てに意味が宿るんです」と、制約こそがむしろクリエイティビティの助けになることを話している。
小規模政策の意外なメリットについては、ロバート・ロドリゲスもTHE RIVERに話している。『フロム・ダスク・ティル・ドーン』や『シン・シティ』などで知られ、タランティーノの盟友でもあるこのメキシコ出身のフィルムメーカーは、「大きなアイデア、小さな予算」を好むことを公言している。
「小規模な製作スタイルが好きなんです。その方が干渉がない」「資金提供を受けると、その金額が大きければ、出資者から『こういうエンディングにしてくれ』とか『この役者を起用したい』と求められることもある。もちろん出資者としては、投じたお金を回収したいのですから、それは当たり前のことです。でも、低予算とビッグアイデアなら、そうはならない」「イマジネーションに予算制限はないのです」。
▼ 『エターナルズ』の記事
Source:Vanity Fair