キャプテン・アメリカ役クリス・エヴァンス、再び監督業に意欲 ─ 仏教に深い関心、「良い題材を見つけるのが何より大変」

マーベル・シネマティック・ユニバース作品のキャプテン・アメリカ役で知られる俳優クリス・エヴァンスが、再び監督業進出に意欲を示した。かねてより監督業に強い関心を寄せてきたエヴァンスは、2014年に主演・監督を兼任した恋愛映画『Before We Go(原題、日本未発表)』を発表。長きに渡るキャプテン・アメリカとしての物語に区切りをつけた今、再び監督業について語っている。
米Varietyにてスカーレット・ヨハンソンと対談したエヴァンスは、ヨハンソンから「まだ監督への興味はあるの?何か考えていることは?」と尋ねられ、「監督はやりたいけれど、勇気がないのと、脚本を書く対象がない」と明かしている。前回の監督作から5年を経て、スターダムをいよいよ上った感があるだけに、再びメガホンを取るプレッシャーも大きくなったようだが、むしろ一番の問題は“題材”だという。
「何よりも大変なのは題材を見つけること。まだ手のつけられていない、良い題材はそのへんに転がっていないから。(前回)監督した時に大変だったのは、まるで飛べない鳥みたいな脚本を見つけてきて、“これなら治して元気にしてあげられるぞ”と思ったところがあったから。今になってみれば、僕が撮った映画は、題材の面で出来栄えの限界があったのかもしれないとさえ思います。ナイーブなことは言いたくないし、前向きに言えば、脚本の可能性を超えて(映画を)高めることもできたと思うけれど……脚本にそういうもの(良い題材)がないのなら、おそらくそれは飛び込むべきものじゃないと思うんです。ダイヤモンドの原石のような脚本を見つけるのは難しいですね。」
一方、ヨハンソンから「自分で考えているストーリーは?」と聞かれると、エヴァンスは仏教に深い関心を抱いていること、そこから「人々の心に届く物語」を着想していることを明かしている。「僕たちはみんな、自己中心的な立場から、僕たちの関係性とは何なのか、自分はどうなるべきなのか、楽しみや愛、目的の定義とは何なのかってことを考えていると思いますから」。もっとも、仏教の考え方を織り込んだストーリーは、それゆえに扱うのが難しいとも感じているようだ。
「(テーマを)なんとか表現するだけじゃなく、乱暴に扱わないよう、聖人ぶらないようにして、しかも僕たちの社会に十分通じる脚本にするのはすごく難しい。針の穴を通すのが本当に大変だし、それに僕には脚本を書く特別なスキルがないから。だから、とにかく今は(良い題材を)求めているんです。」
ちなみに、この答えを聞いたヨハンソンが「『食べて、祈って、恋をして2』ってこと?」と言うと、エヴァンスは大笑いして「そういうこと」と返している。
Source: Variety