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エズラ・ミラー、映画界復帰を計画中 ─ ヴァンパイア映画で主演・脚本、『少年は残酷な弓を射る』監督と再タッグ

エズラ・ミラー ezra miller

『ファンタスティック・ビースト』シリーズや『ザ・フラッシュ』(2023)などの俳優エズラ・ミラーが、映画界への復帰を計画していることがわかった。イタリアのメディア・Lo Speciale Giornaleの取材にて語った。

ミラーは2022年3~4月、ハワイにて治安びん乱行為とハラスメント違反、第二級暴行罪のため逮捕され、6月には、過去に暴行や脅迫などで少女を支配したとして少女の両親から告発された。8月には米バーモント州で留守中の住居から酒瓶を盗み出した疑いで起訴され、2023年1月に罰金500ドルと1年間の保護観察処分を受けている。

その後、ミラーは精神科での治療に専念していたとされ、公の場に姿を見せたのは、2023年6月の『ザ・フラッシュ』ロサンゼルス・プレミアがほぼ最後となっていた。

しかし2025年5月、ミラーはカンヌ国際映画祭のレッドカーペットに突如登場して大きな話題となった。かつて『少年は残酷な弓を射る』(2011)でタッグを組んだリン・ラムジー監督の最新作『Die, My Love(原題)』のプレミア上映に駆けつけたのだ。

今回のインタビューで、ミラーは「カンヌに行ったのは、親友であり現代最高の映画監督であるリン・ラムジーをサポートするためでした」と率直に語っている。

「彼女(ラムジー)が僕を呼んでくれたのです。僕が人生で心から信じていることのひとつが、愛する人々や友人、そして同志への献身です。必ずしもカンヌに行きたかったわけではありません。およそ3年ぶりに世間へ戻るには、カンヌは大変な再突入地点です。カメラマンや変人、富豪、虐殺マニアたちがいるわけですから。だけど、リンのために行ったんです。僕はリンのためならどんなことでもします。」

現在の映画との関係を「暫定的なもの」と呼ぶミラーだが、ラムジーと再びタッグを組む新作映画を準備中だ。これは5月にラムジーがLos Angeles Timesでも企画を認めていた、ミラーが主演を務める“ヴァンパイア・ムービー”。ラムジーは「10年もかかりません。早く作らなければ」と語っていた。

今回、ミラーはこの新作映画について「僕が最初にやる作品になるでしょう。彼女と一緒に脚本を書いているんです」と述べ、共同脚本を担当していることを明かした。「たくさん書きました。孤独のなかでやれることだから、それが心地よかったんです」。

騒動を振り返り、ミラーは「自分のしたことや、当時起きたいろいろなことを後悔していますし、心から悲しく思っています。けれど、その暗闇から教訓を得たことに感謝してもいます」と語った。ラムジーは「誰よりも信頼している」存在のひとりで、ミラーを人知れず支えていたようだ。

「私たちは試練を乗り越えるとき──不確実であっても、他人の試練を見守り、手を差し伸べることができます。けれども現在の世界では、誰もが自己認識、“自分がどう見られるか”という概念に囚われていて、その能力や意志、願いが失われつつあると思います。僕は過去を振り返って、他者と友人になること、そして友人になってくれた人々のために生涯尽くしたいのです。」

奇妙に思えるかもしれないが、ミラーは「アーティストとしての後悔はない」とも言っている。「作品は他者の判断に委ねられるもので、僕の関わった表現が良かったか悪かったのか、比較してどうなのかを考えるのは僕の仕事ではありません。皆さんの仕事です」。

エズラ・ミラー主演、リン・ラムジー監督の新作映画(タイトル未定)の詳細は不明。続報の到着が待たれる。

Source: Lo Speciale Giornale, Los Angeles Times

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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