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【ネタバレ解説】『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』リード&スーの子どもの重要性と、映画に登場しなかった「すさまじい可能性」

ファンタスティック4:ファースト・ステップ
© 2025 20th Century Studios / © and ™ 2025 MARVEL.

この記事には、映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』のネタバレが含まれています。

ファンタスティック4:ファースト・ステップ
(c) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.

フランクリン・リチャーズ

映画はスーの妊娠から始まる。リードは喜びながらも、父親になることや、自分たちのDNA変異が子どもに受け継がれている可能性に怯えていたが、幾度とない検査のなかで、子どもには何の問題がないことが明かされた。ところが、“惑星を捕食する”脅威ギャラクタスは、地球を見逃すかわりにリードとスーの子どもを引き渡すよう要求する──。

やがて物語の核心は、リードとスー、ジョニー・ストーム、ベン・グリムの4人が、産まれたばかりの息子フランクリンをいかにして守り抜くか、そしてギャラクタスを撃退するかというところに移っていく。

マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、米ComicBook.comにて、フランクリンを本作に登場させたことについて「コミックを参照してみてください」と述べつつ、その理由のひとつに触れた。

「はじめにフランクリンを登場させようと思ったのは、これまで誰もやったことがなかったからです。ご存知のように(ファンタスティック・フォーには)4本の映画がありますが、フランクリンは一度も登場したことがありません。そこで、映画を独自のものにするために、ファンタスティック・フォーの決定版を作るために、あの子どもの存在と今後の重要性はいい出発点になると思いました。」

ファンタスティック4:ファースト・ステップ
© 2025 20th Century Studios / © and ™ 2025 MARVEL.

ファイギは「フランクリンには大きな可能性があります。もうひとりの子どもにも、すさまじい可能性がある」とも言っている。“もうひとりの子ども”とは、本作には登場していない娘のヴァレリア・リチャーズのことだ。

ギャラクタスがフランクリンを求める展開は、コミックにもよく通じているものだ。映画のクライマックスではフランクリンに秘められた驚くべき能力が示唆されるが、コミックのフランクリンも最強のスーパーパワーを持ち、自分が思うままに現実を改変することができる。それゆえにギャラクタスを含むコズミック・ビーイングが彼に近づいてくるのだ。

コミックではフランクリンが強力すぎるあまり、なんとギャラクタスに取って代わってしまう展開がある。また、ヴァレリアの名付け親はドクター・ドゥームであり、こちらも複雑な関係をもっているのだ。ギャラクタスとドクター・ドゥームというMCUの今後を左右する2人のヴィランは、ファンタスティック・フォーの子どもたちと深いつながりがある。

ファンタスティック4:ファースト・ステップ
(c) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.

『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』は、巧みにMCUの未来に向けた布石を打っている。首脳会談で空席になっていたラトヴェリア(ドクター・ドゥームが君主を務める国だ)の椅子、ポストクレジットシーンでフランクリンに忍び寄るドクター・ドゥーム、本当の意味では倒されていないギャラクタス、そしてフランクリン・リチャーズ。いずれ、これらの要素はなにかしらの形でまとめ上げられるにちがいない。

もっともシャックマン監督は、こうしたMCU全体のストーリーテリングとは別に、「どうしてもフランクリンを登場させたかった」という個人的な思いを米Entertainment Weeklyにて明かしている。

「私にとって、人生最高の瞬間は娘が産まれたときでした。この映画は、こうした静かで小さな、素晴らしい瞬間と、大いなる、畏敬の念を抱く瞬間を描いています。誕生とは、私たちの誰もが、あるいは親としての私たちが経験する素晴らしい奇跡の瞬間のひとつ。(子どもの誕生が)彼らを特別なものにします。子どもが家族を、そして夫婦をどう変えていくのかを私は語りたかったのです。」

映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』は大ヒット公開中。

Source: Entertainment Weekly, ComicBook.com

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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