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『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』ミア最高のアクションは「東京で」、ジョーダナ・ブリュースターの再訪とこれから【インタビュー】

ワイルド・スピード/ジェットブレイク
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映画に出ていない間は、すごく変な感じでした。自分自身の中で何かが欠けていたような気がして。戻ってこれて、すっごく嬉しいです。

『ワイスピ』最新作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』には、オリジナルメンバーとして1作目からシリーズを支えてきたミアが帰ってくる。20年にわたりミアを演じてきたジョーダナ・ブリュースターは、『ワイスピ』への並々ならぬ思いを携えて、第7作『ワイルド・スピード SKY MISSION』ぶりに再演を果たした。

ミアが『ジェットブレイク』に帰ってきたのにはトレット家の兄弟ゲンカを止めるためという理由があるように、ジョーダナが『ワイスピ』に戻ってきたのにも、大きな使命がある。2001年から共に歩んできたファミリーと再会し、『ワイルド・スピード』完結に向けた終章を築き上げるためだ。ファミリーの不在は一大サーガを閉幕させる上で、まさに画竜点睛を欠くことになってしまう。本作にはミアのほかにも、第6作『ワイルド・スピード EURO MISSION』(2013)でシリーズを去ったハン(サン・カン)が渋みを増して、第3作『ワイルド・スピード X3 TOKYO DRIFT』(2006)の高校生3人組が大人になって帰ってくる。『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』は、『ワイスピ』のフィナーレへの鐘を鳴らす作品なのだ。

THE RIVERは、当時アメリカでの『ジェットブレイク』封切りを目前に控えた2021年6月中旬、世界同時に開催されたグローバルイベントに参加。ミアを再演するジョーダナと対談する機会に恵まれた。ミアは本作『ジェットブレイク』で『ワイスピ』史上一番にキレッキレなアクションを披露していることで話題だが、アクションはいかに準備したのか。また、ミシェル・ロドリゲス演じるレティとは一緒に東京に向かうことになるようだが、撮影はどのように行われたのか。そして、6年の時を経て、役との向き合い方はどう変わったのか。『ジェットブレイク』で間違いなく鍵を握るひとりであるミアとの再会にあたり、気になる質問をジョーダナ本人にぶつけてみた。

ワイルド・スピード/ジェットブレイク
© ABImages

『ワイスピ』は「人生の延長線」、復帰で感じた喜び

思えばミアは、ヴィン・ディーゼル演じるドミニクやポール・ウォーカー演じるブライアン、そしてミシェル・ロドリゲス演じるレティと並んで、数少ない初期メンバーのひとり。20年前の第1作では、兄のドムと一緒に始めたカフェ「Toretto’s Market & Cafe」でブライアンお気に入りのツナサンドをダルそうに作っていたミアも、今では息子と娘、2児の母となった。実生活でも母親であり、ミアと共通する部分もあるジョーダナだが、演じるのは実に6年ぶり。「このギャップに、何か大変だったことはあったのか?」という筆者の問いかけに、ジョーダナは「無かったです」と爽やかに答えた。

「ミアを演じるのにこれまで(のシリーズ)で一番大変だったのは、ずっと現場にいられなかったことでしょうか。他のドラマの撮影もあったりして、ずっといれないときもあって。ちょっとした期間で撮影に挑むのもすごく大変で、うまくリズムに乗ることが出来なかったんです。ただ今作は、4ヶ月か5ヶ月くらいの撮影期間、ずっと現場にいることができました。すごく良い気分で、とても楽しかったです。撮影地で友人たちと過ごすことも出来たので。」

こう話すジョーダナは、『ワイスピ』を「私の人生にとっての延長線のようなものです」と語る。自身が不在の間も、ファミリーとは頻繁に連絡を取り合っていたというが、やはり現場での再会には格別な思いを抱いたようだ。ジョーダナは「現場に戻ったときの喜びはひとしおでした」と本作の撮影に入った2019年当時の記憶を辿る。

レティとの東京パート、入念なアクション準備

『ジェットブレイク』では、母親としてのミアにも注目したいところだが、アクションについて自信みなぎる表情で話すジョーダナの姿を見る限り、今作でのミアに最も目を向けるべきは、レティ、そして『ワイスピ』初参戦となる日本人キャスト、アンナ・サワイが演じるエルと共に魅せる、東京でのアクションシークエンスのようだ。女性陣によるド迫力のアクションは予告編ですでに確認できるが、ジョーダナによれば、撮影までには十分なリハーサルが不可欠だったのだとか。「ロンドンにいる最高のスタントチームとコレオグラファー(振付師)にお願いしました」と話すジョーダナは、撮影開始前を以下のように振り返っている。

「東京パートのセットはあまりにも素晴らしくて、建てるのにも時間がかかったんですけど、私はセット内でリハーサルがしたかったんです。結果、全部ダンボールを使って(リハーサル用の)セットを作りました。全ての動きに入念な振り付けがなされていて、そのための準備もありましたね。全てのアクションを1つのシークエンスでやるわけではないので、途中からやるときもあれば、終盤のアクションをやる時もあって、ジャスティン(・リン監督)の指示にあわせてやるために、動きを分解して覚えなければいけなかったです。たくさん練習しましたね。あのときの一瞬一瞬が大好きでした。」

『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』
© 2021 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

ジョーダナは、リハーサルについて「私のInstagramにも載っていると思いますよ」と教えてくれたので、さっそくチェックしてみると、説明そのままだ。カメラワークも相まってか、リハーサルとはいえものすごい迫力。ダンボールで作られた凶器を駆使して、大男(スタントマン)2人相手に力みなぎるコレオグラフィーを披露している。(途中、包丁を取るのに手こずっているのはご愛嬌。)

そんなジョーダナ、『ジェットブレイク』の舞台として登場するいくつもの地域の中でも、「東京パートが最高でした」と明かす。もっとも、撮影自体は全てロンドンで実施されたというが、ジョーダナ含めキャスト陣は、来日しての強行撮影も自ら直談判するほど、東京でのシークエンスを気に入っていたようだ。

「ミシェルと私は、ジャスティン(監督)に、“みんなで東京に飛んで、いくつかのシーンを撮って映画に組み込みましょうよ”って頼んだんです。結局今回は叶わなかったんですけど、次の作品では是非行きたいですね。東京では、ハンを見つけることになりますし、私たちはそこで最高のアクションを披露するので、やっぱり今作ではお気に入りの場所です。」

となると、東京でのミアとレティのタッグからは目が離せない。しかし、よくよく考えてみると、ミアとレティの本格的なツーショットは『ジェットブレイク』が初めてなのではなかろうか。まさに海外でも同様のことが公開前から話題となっており、実際にジョーダナはレティ役のミシェルから「私たちって一緒のシーン一回も無くない?」と話しかけられた日のことを以前に語っていた。この会話がきっかけとなり、ミアとレティの東京ミッションが決定されたというが、これについては筆者もジョーダナに直接尋ねてみた。

「これは長いこと、ジャスティンとミシェルと3人で話していたことなんですけど、20年間でふたりのシーンが無いなんてクレイジーでした。それもあって、“ふたりは何について話したら良いか?”と相談もしました。“男性陣について話すのではなくて、お互いの関係性について話したら良いんじゃないか。2人は友達なんだから”というような感じで。」

ドムとブライアンが義理の兄弟であるように、レティとミアも義理の姉妹である。第4作『ワイルド・スピード MAX』(2009)で亡くなったと思われていたレティ、第7作『SKY MISSION』ではミッションに出ず、第8作『ICE BREAK』では登場しなかったミア。すれ違いの期間があったにせよ、確かに2人の仲がもっと描かれても良かったはずだ。ミシェルとの本格共演に「彼女とはいっぱい話しましたね。とっても感慨深かったです」と嬉しそうに話すジョーダナは、「新鮮で嬉しかったです。これからももっとあると良いですね」と今後の『ワイスピ』でのレティとのタッグに意欲を燃やしている。

ワイルド・スピード/ジェットブレイク
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「ミアは帰ってくる」、力のこもった復帰宣言

ジョーダナによれば、ミアの活躍は完結が判明しているメインシリーズに限ったことではないようだ。現在、スピンオフとして女性キャラクターによる単独作品が水面下で企画されていると言われるが、ジョーダナは同企画にも前のめりなやる気を見せている。

「ミアの前日譚やスピンオフなんかはありえますか?」と尋ねてみると、「女性スピンオフはすごく楽しそうですよね」とジョーダナ。以前、『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(2019)でマダムM役を演じたエイザ・ゴンザレスが同企画に「やる気十分です」と話していたので、彼女の名を挙げてみると、「あぁ、良いですね!彼女のことが大好きなので、参加してくれたら最高ですね」とジョーダナも同意してくれた。

また、ジョーダナにも推薦したいキャラクターがいるようで、シリーズ第2作のヒロインとして登場し、第5作『MEGA MAX』のポストクレジットシーンでも再登場を果たしたFBI捜査官モニカ・フエンテスを演じたエヴァ・メンデスを指名した。「彼女をまた復活させられたら最高ですね」。

第9作『ジェットブレイク』の次は、さっそく完結2部作となる第10&11作が控えている。撮影開始は2022年初頭に予定されているらしく、ストーリーの詳細はジョーダナの耳にも入ってきているのだろうか。これにジョーダナは、「いつ撮影が始まるのかは聞いているけれど、内容は全く知りません」と話した。しかし、1つだけ、ある重要なことを約束してくれた。「ミアは帰ってきます。『ワイルド・スピード』の世界では問題だらけなので。これからどんなストーリーが待っているかはわからないですが、ミアは帰ってきますよ。」

最後に、終わりが近づきつつある『ワイスピ』の今後について楽しみにしていることとして、ジョーダナは次のように語ってくれた。

「『ジェットブレイク』のエンドクレジットでは最高なサプライズもあったので、そのキャラクターの今後も見ていきたいですし、ミアのお母さんには会ったことがないので、そういうことに遡るのは良いですよね。あとはまだ行ったことのない世界もあります。オーストラリアだったり、アフリカだったり。これからどれだけ拡大できて、成長できるのかを考えるのはすごく楽しいことで、そういう挑戦にはワクワクしています」。

このほかジョーダナは、公私ともに親しかったポール・ウォーカーや彼が演じたブライアンへの思いも熱く語ってくれた。これについては、ネタバレ記事にてお届けするので、お楽しみに。

『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』は2021年8月6日(金)全国公開。THE RIVERでは、テズ役リュダクリスへの単独インタビューも掲載中だ。

テズ役リュダクリスへの取材

Writer

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。