『マイノリティ・リポート』撮影でトム・クルーズを怒らせていたコリン・ファレル ─ 二日酔いで現場入り、セリフ言えず46テイク

『イニシェリン島の精霊』(2022)や「THE PENGUIN―ザ・ペンギン―」(2024)などで知られ、いまやハリウッドの新たな重鎮となった俳優コリン・ファレル。『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』(12月19日公開)や、Netflix映画『端くれ賭博人のバラード』という新作2本も連続でリリースされ、精力的な活動を続けている。
もっとも、どんな名優にも若かりし日の失敗はある。初期のブレイクにつながった一作『マイノリティ・リポート』(2002)では、あまりの素行の悪さに主演のトム・クルーズを怒らせてしまったという。「あれは撮影現場で起きた最悪の思い出のひとつ」だと、テレビ番組「The Late Show」にて振り返った。
クルーズや監督のスティーブン・スピルバーグ、音楽のジョン・ウィリアムズを、ファレルは「彼らを見て育った」と尊敬する。1976年生まれゆえ、「トムの『トップガン』(1986)や『卒業白書』(1983)を観ながら大きくなった」と。
なぜ事件が起きてしまったのか。それは、ひとえにファレルの気持ちが大きくなっていたからだったというほかない。
「その日は5月31日、僕の誕生日でした。自分を何様だと思ったのか、製作費1億2000万ドルの映画なのに、“誕生日は休ませてくれ”と頼んでいたんです。彼らは“どうでしょうね……”という感じでしたが、もちろん5月31日も朝6時に迎えが来ました。前日の夜はバカ騒ぎをしたので、覚えているのは、ベッドに入って電気を消したと思ったら、運転手から電話が鳴って“6時10分です”と。“ヤバい!”と思いました。」
ひとまず現場に急行し、控えのトレーラーに向かったファレルを出迎えたのは、第2助監督を務めていたデヴィッド・H・ベングハウス・Jr.だった。車から降りてきたファレルを見て、「そんな姿でセットに行っちゃいけない」と注意したという。
もっともファレルは、逆に「パシフィコ(ビール)を6本、マルボロレッドを20本買ってきてくれ」と頼んだ。「ビールを2、3杯飲んでからセットに行きましたが、最悪でした」と。
「その時、どうしても言えなかったセリフは絶対に忘れられません。“犯罪前捜査の根本的な矛盾はご存知でしょう”──それが最初のセリフでした。舞台裏にいた姉(アシスタント)はセットから出て行くしかなかったし、(スタッフが)近づいてきて、“ちょっと外で新鮮な空気を吸いましょう”と言ってくれても、僕は“そんなことをしたら、気分が良くなった時にもっとプレッシャーを感じてしまう”と思った。それで、“いや、やり直そう”と答えたんです。」
結局、OKが出たのは46テイク目だったという。「トムは私を良く思っていませんでした。大好きなトムが、良く思っていなかったんですよ!」
ちなみに、現在のファレルは当時を振り返り、「良くないことです。その2年後には治療を受けました」と釈明。同時に、「だけど当時はそれで大丈夫だったんです」と冗談まじりに述べた。「生き方を教えてくれる聖人たちは、みな“今がすべて”だと言っているものです」と。
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Source: The Late Show


























