『ワイルド・スピード』にはヴィン&ドウェイン&ステイサムを弱く見せないための「戦闘シーンでの約束」が存在する?

『ワイルド・スピード』といえば、ド派手なカーアクションに加え、筋骨隆々な登場人物たちによるガチンコバトルが見どころ。例えばシリーズ第7作『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2015)ではヴィン・ディーゼル演じるドミニク・トレットとジェイソン・ステイサム演じるデッカード・ショウが命がけのストリートファイトを繰り広げた。
2019年1月に掲載された米Wall Street Journalの記事では、『ワイスピ』に出演する3人の肉体派俳優、ヴィン・ディーゼル、ドウェイン・ジョンソン、ジェイソン・ステイサムに関する興味深い記述がある。なんと3人は撮影中、劇中で自分が戦いに負けたと思われないような取り決めを行なっているというのだ。同紙は『ワイスピ』シリーズの製作に携わったプロデューサーやクルーメンバーの証言として、以下のように記している。
「(当時)51歳のステイサムはスタジオとの間で、彼がスクリーンでどれだけひどく殴られるかを制限する契約を交渉した。52歳のディーゼルは、映画プロデューサーである妹にパンチの回数を取り締まってもらっている。47歳のジョンソンは、プロデューサーや編集者、ファイト・コーディネーターに、彼が常に良い演技ができるための助けを要求している。」
具体例も挙げられている。『SKY MISSION』のワンシーン、元々の予定ではドウェイン演じるルーク・ホブスがヴィン演じるドミニクの前に横たわるはずだったポーズが、ドウェインの要請により座るポーズへ変更されていたという。また、妹のサマンサ・ヴィンセントに殴られる回数を数えてもらっていたというヴィンは「パンチやキック、頭突きなどの打撃一つひとつに点数をつけるカウントシステム」を考案することまでしていたそうだ。
なぜ3人がそのような取り決めを交わしたのか、その想いは本人のみぞ知ること。また、その取り決めが『ワイスピ』で現在も有効なのか、『ワイスピ』以外の作品でも各人が同様の取り決めを行なっているのかも定かでない。
とはいえ、ヴィン、ドウェイン、ステイサムはハリウッドを代表するアクションスターだ。屈強なアクション俳優としてのイメージを保持しておきたいという想いがそれぞれにあるのかもしれない。『SKY MISSION』では上述のヴィン&ステイサムによる戦闘シーンのほかに、ステイサム&ドウェインによる壮絶バトルも登場し、2人はプロレス並みの迫真の演技で最後まで互角の戦いを見せていた。
▼『ワイスピ』 の記事
Source:WSJ