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【詳報】『ワイスピ10』監督降板で1日1億円超の中断コスト ─ 課題が山積、出演者のスケジュール確保も

『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』
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2部作で完結の『ワイルド・スピード』シリーズを手掛ける米ユニバーサル・ピクチャーズは、その前編となる最新作『FAST X(原題)』で異例の事態に直面している。撮影1週目にして、ジャスティン・リン監督の降板が発表されたのだ。これにより、リン監督が管轄していたメインユニットの撮影は一時中断。現在は後任探しに動いている。

Varietyは、監督の降板劇が製作に与える影響の分析記事を掲載。そこではあっという間に山積した対応の複雑さが記されており、何よりコスト面が懸念されているようだ。現在、撮影はセカンドユニットのみ進行している状況で、中断したメインユニットに参加していたキャストやクルーは再開まで待機中。こうした遅延に伴い、1日あたり60万〜100万ドル(7,800万〜1億3,000万円、1ドル=128.68円換算)のコストが上乗せされる見立てだという。この額は撮影セットの組み立てといった製作の進行具合によって変動するというが、「アクションが多ければ多いほど、遅延費用は増額していく」と記されている。

コスト増大と共に懸念されているのが、撮影中断によるキャストのスケジュールだ。『ワイスピ』といえば、ヴィン・ディーゼルをはじめハリウッドスターが大勢名を連ねるシリーズとして知られるが、本作ではジェイソン・モモアやブリー・ラーソンといった大物俳優も出演する。Varietyでは、多忙なキャストについて「詰め詰めのスケジュールを確保するために、迅速かつ犠牲を伴った変更が求められうる」との懸念が指摘されている。

ジャスティン・リン監督は、第3作『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』(2006)から第6作『ワイルド・スピード EURO MISSION』(2013)までを手掛けた『ワイスピ』の立役者。前作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(2021)では約8年ぶりに監督復帰を果たした。完結2部作となる第10作&11作でも続投が決まっていた中、突然の降板は大きな混乱を招いた。もっとも報道によると、この決断はユニバーサルとの間で「円満に」行われたものだといい、リン監督はプロデューサーとして残留する。

このこともあり、現在スタジオ側は後任の監督探しに追われている。リン監督の降板時、後任候補として『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(2019)のデヴィッド・リーチ監督と『ワイルド・スピード ICE BREAK』(2017)のF・ゲイリー・グレイ監督の名前が挙がっていたが、Varietyはシリーズ第1作のロブ・コーエン監督と第7作『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2015)のジェームズ・ワン監督も可能性に含めている。特にワン監督は、『ワイスピ』初参加のジェイソン・モモアと最新作『アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム(原題)』でも仕事を共にしており、連携のスムーズさで言えば比較的ベストな選択と言える。

また、記事では主演・製作のヴィン・ディーゼルも監督候補として含められているが、その見込みは薄そう。ディーゼルの長編映画の監督経験は1997年に自身が主演を務めた『ストレイ・ドッグ』のみ。2009年には『ワイスピ』の作品間をつなぐ短編「Los Bandoleros(原題)」でメガホンを取っているが、『ワイスピ』ほどの規模の長編映画を撮るには経験が乏しいと言えるだろう。

さらに、後任が発表された後に懸念されるのは、脚本も兼任していたリン監督降板の要因とされるクリエイティブ面。Varietyは「A級のフィルムメーカーたちは脚本に変更を求めずに参加することはないかもしれない」と伝えている。また、とあるスタジオの幹部は「大作アクション映画に長けた」ベテランのセカンドユニットディレクターが後任に起用される可能性を予測しているというが、果たしてユニバーサルは何を優先するのか。そして、かつてリン監督とディーゼル、亡きポール・ウォーカーの3人で思い描いたという『ワイスピ』メインサーガの完結は、当初のビジョンで幕を閉じるのだろうか。

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Source: Variety

Writer

SAWADA
SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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