【ネタバレ】「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」シャロン・カーター、今後の出番どうなる ─ ラストの展開受けて、女優「彼女の考え方は理解できる」

この記事には、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」第6話『世界はひとつ、人はひとつ』のネタバレが含まれています。

シャロン・カーター=パワー・ブローカーという現実
「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」の最終話『世界はひとつ、人はひとつ』では、『シビル・ウォー』以降、政治犯として追われる身となっていたシャロンの“もうひとつの顔”が明かされた。マドリプールという都市を掌握し、超人血清の開発を支援して成功に導いたパワー・ブローカーの正体はシャロンだったのである。カーリ・モーゲンソウ率いるフラッグスマッシャーズの動向をにらんでいたのもまたシャロンであった。もはや、サム・ウィルソンとバッキー・バーンズが知っていたころの彼女ではない。
米Marvel.comの取材にて、シャロン役のエミリー・ヴァンキャンプは、自身の正体がパワー・ブローカーだと知らされた際に「すべて納得した」と語る。シャロン=パワー・ブローカーという事実が、『シビル・ウォー』以来の出来事がもたらした影響を如実に示してくれたというのだ。
「今回のシャロンはまったく新しい彼女ですが、残念ながら、それは過去の出来事による悲劇の産物。彼女は見捨てられ、放置されてきた。傷つき、無視されて道を外れたというのはピッタリの描き方だと思いました。私は、シャロンがどこで何を考えてきたのかを描けて本当にうれしいんです。彼女の過去と現在を明確に示すことが大切でした。法のない島(マドリプール)で自分の力に頼るしかないことは、シャロンにとって簡単なことではなかったでしょう。自分の道を進み、恐ろしい大物になり、その姿をサムやバッキーに見せることは、すべて彼女の利益になるのです。」
シャロンがパワー・ブローカーであるという事実は、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」最終話の時点でほとんど闇に葬られる。シャロンの正体を知るカーリは、ファルコン/サム・ウィルソンとの戦いの末、シャロンの手で銃殺されるのだ。カーリ役のエリン・ケリーマンは、シャロンについて「彼女は超人兵士の小さな軍隊を作るつもりでした」と語る。「カーリは世界を変えたかったけれど、シャロンは世界を操りたかった。そこでカーリは去り、フラッグスマッシャーズを作ったんです」。

“操る”はパワー・ブローカーのキーワードだ。マドリプールを掌握して人々を操ったシャロンは、自分の正体を知る者を闇に葬ったのち、サムによって政府からの恩赦を受ける。ところが、かつての地位に戻ったシャロンは、早くもアメリカ政府の秘密を売ろうと企んでいるらしい。エミリーいわく、シャロンは「マドリプールの外に出て、自分の手で事を動かそうと決断した」というのだ。
「シャロンには大きな計画がありますが、それは以前のように大義のためではありません。この役を演じる者として、彼女の考え方は理解できます。“もう政府は信じない、だけどもう少しだけ政府の近くにいよう”ということです。それがどういうことなのかは、私にもわかりませんけどね。」
シリーズの幕が下りた時点で、サムとバッキーはシャロンの正体を把握していない。しかし、プロデューサーのゾーイ・ナイゲルハウト氏は「この問題はさほど二人に関係ありません」と話す。「シャロンは二人を味方に付けることなく、自分の道を行き、自分の任務を進めていく。彼らとの関係性をややこしくする必要はありません。彼女は二人を助けられるし、同時にパワー・ブローカーでもある。その二重性が面白いんです」。
さらにナイゲルハウト氏は、米Entertainment Weeklyにて「シャロンを完全な悪とも、完全な善とも思いません。やむを得ず、彼女はその中間を生きているのです」とも述べている。これに同意したのは、脚本・製作総指揮のマルコム・スペルマンだ。「彼女がどれだけの悪人なのかは分かりません。彼女がサムを痛めつけたかどうかといえば……この言葉の意味は分かりますよね? シャロンは悪にもなれるし、元の道にも戻れる。行き先は誰にも分からないのです」。

スペルマンはさまざまなインタビューにて、シャロンにまつわる謎の真相を尋ねられている。超人血清を開発した科学者・ネイゲルのもとにサムとバッキーを導いたのはなぜか、ジモがネイゲルを殺すことを予期していなかったのか。仮に“指パッチン”でシャロンが消えていたのなら、ネイゲルの研究をパワー・ブローカーが支援したという証言はつじつまが合わないのではないか。いかにしてシャロンは、ごく短期間で裏社会のトップに上り詰めたのか。ただし、スペルマンは「何も言えることはありません」「さまざまな話し合いがありましたが、取材の場ですべてを答えることはできません」としか答えていない。
ちなみに米Comicbook.comにて、スペルマンは「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」を執筆する上で「キャラクターの未来については考えなかった」と明言している。思えば、『アベンジャーズ/エンドゲーム』を執筆したクリストファー・マルクス&スティーブン・マクフィーリーも同じことを言っていたではないか。現在、スペルマンはマーベル・スタジオの創作法をこのように振り返っている。
「マーベルに求められるのは、できるかぎり最高のものを作ることだけ。もしも“ヴィジョンを出したい”なんて言おうものなら、“『ワンダヴィジョン』があるからダメ”って言われるでしょうが、それ以外は自由なんです。だから、実在するアジアの都市をちょっとしたモデルにした街を登場させたし、ラストにはジョン・ウォーカーとともにCIA風のキャラクター(ヴァル)を登場させました。いったん自分たちのものを作ったら、あとはマーベルが巨大なMCUに繋げてくれるんですよ。」
ちなみにカリ・スコグランド監督によれば、シャロン=パワー・ブローカーという事実は最終話で明かされたが、これは編集段階で決まったものだったという。どのタイミングでシャロンの正体を暴くべきか、いくつもの可能性を試行錯誤した末の判断だったのだそうだ。
ディズニープラス オリジナルドラマシリーズ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」は配信中。
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Sources: Marvel, Comicbook.com, Entertainment Weekly, The Hollywood Reporter, Deadline