ファンタビ2『黒い魔法使いの誕生』ファッション解説 ─ キャラ別に見る、衣装の進化と時代背景

貴族的でグラマラスな「リタ・レストレンジ」

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アトウッドによると、リタ・レストレンジが身につけるパープルのドレスは、1920年代後半と1930年代のファッションをミックスしているそうだ。※3
1920年代後半は化学繊維が広く使い始められたことから、服の大量生産が可能になった時代。パリのクチュリエ、ポワレやシャネルが女性をコルセットから解放し、女性はシンプルで着心地のよいファッションを楽しめるようになっていた。
しかし、1920年代から1930年代におけるイギリスの女性は、階級別に装いが違った。「リタは名家出身で、いわば貴族のようなもの。1930年代に魔法界の貴族の女性が着るようなグラマラスなドレスを作った」※1と説明するアトウッドは、1930年代に流行していたドレスのスタイルにドレープを加えて、“流れ”のあるシルエットにした。これは、魔法使いが羽織るケープをドレス上に表現する意図があったという。※3

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18世紀のアルプスに住むロックスター「グリンデルバルド」

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『シザーハンズ』(1990)、『スリーピー・ホロウ』(1999)や『ツーリスト』(2010)でジョニー・デップと一緒に働いたことのあるアトウッドが言うには、デップはどんな衣装でも個性的に着こなせるセンスの持ち主だという。確かに、グリンデルバルドの衣装はダブルコートにロングブーツ、刺繍の入ったレザーパンツ、ヴェルヴェットのベストにスカーフなど、ミリタリー、フォークロア、英国風ファッションが絶妙に混じった非常にユニークなスタイルだ。
刺繍の入ったレザーパンツは、オーストリア・チロル地方の民族衣装「レーダーホーゼン」という革の半ズボンに、アルプスの伝統的な刺繍を取り入れたもの。アトウッドは、“18世紀のアルプスに住むロックスター”をイメージしたそうだ。※4

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心を開くようになった「クリーデンス」

「エズラ・ミラーは素晴らしい俳優。とても偉大な俳優で、コスチュームが大好き。だから彼と一緒に働くのは楽しかった。コスチュームも彼の友達なんですよ」※2とアトウッドが手放しで褒めるエズラが演じたクリーデンスの衣装は、前作では殆どがブラックだったが、本作では違う。
ダークな闇の世界に取り巻かれている彼の“脆さ”を際立たせるために暖色系の色調が選ばれた。 ※4今作のクリーデンスは、少しずつ世間に対して心を開くようになってきた、自己発見の旅の途中。だから、前作で見せたエキセントリックな髪型やオールブラックの衣装を卒業して、優しい人間味のある色の衣装を着ているのだ。
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Source:※1:The Leaky-Cauldron.org,※2:Collider,※3:Fashionista,※4:GQ