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マーベル社長ケヴィン・ファイギ、マーティン・スコセッシの「映画じゃない」発言に応答 ─ クリス・エヴァンス、スカーレット・ヨハンソンも

ケヴィン・ファイギ クリス・エヴァンス スカーレット・ヨハンソン
[左・中]Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/28556369381/ https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/14615990538/ [右]Photo by THE RIVER

『タクシードライバー』(1976)や『レイジング・ブル』(1980)、『ディパーテッド』(2006)などの巨匠マーティン・スコセッシが、マーベル映画について「あれは映画じゃない」「最も近いのは、良くできたテーマパーク」と発言したことが、いまだ物議を醸し続けている。このたび、ついにマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長が応答。時を同じくして、キャプテン・アメリカ役のクリス・エヴァンス、ブラック・ウィドウ役のスカーレット・ヨハンソンもコメントしている。

The Hollywood Reporterのポッドキャストに登場したファイギ社長は、スコセッシがマーベル映画について「映画(cinema)ではない」と述べたことについて、「それは違うと思います」と真っ向から反論した。


「(スコセッシの発言は)残念です。僕自身、そして我々の映画に関わっている誰もがシネマ(cinema)を、映画(movies)を愛していますし、映画館に行くのも、観客でいっぱいの映画館で同じ体験を共有するのも大好きです。僕たちにとって面白いのは、映画を成功させ、その成功をリスクを背負うために使って、新しい場所へと向かうことなんですよ。」

この発言の背景にあるのは、スコセッシが米The New York Timesにて「(マーベル映画には)リスクがない」と記したことだろう。「ある特定の需要を満たすために、限られたテーマのバリエーションで作られている」という言葉は、当のマーベル映画をきちんと観ていないことを隠さなかったスコセッシらしいコメントではある。また、ファイギ社長は「映画ではない」発言に対してこのように応じたのだった。

人それぞれに、映画(cinema)の定義は違います。人それぞれ、アートの定義も違いますし、リスクの定義も違う。これは映画(cinema)じゃないと思う方もいるでしょう。誰もが自分の意見を持っていいのだし、そういう意見を語っていいのだし、そういう意見に対する持論を書いていい。次にどんなことが起こるのかを楽しみにしていますよ。だけどその間にも、僕たちは映画(movies)を作り続けていきます。」

クリス・エヴァンス、スカーレット・ヨハンソンは

Varietyにおけるクリス・エヴァンス&スカーレット・ヨハンソンの対談では、スコセッシや、同じくマーベル映画に批判的なコメントを繰り出したフランシス・フォード・コッポラらの名前は挙げていないまでも、ヨハンソンが自らこの話題に踏み込んでいる。

ヨハンソン:「ここ数日、すごく尊敬されている監督たちが、マーベル・ユニバースや大作映画を“卑劣”とか“映画の死”とか言っているって話を聞かされるんですよ。最初は昔からあるようなことかなと思ったんですけど、どうやらガッカリしている、悲しんでいるらしいと。どうやら、映画館でいろんな映画や規模の小さい映画が上映される余地がなくなっていることを言いたいんじゃないかって。映画館が、ものすごい大作映画に入れ込んでいるから。それで、人々はどんなふうにコンテンツを消費しているんだろうって思ったんです。観客の体験が大きく変わってきているんだなって。」

エヴァンス:「僕は、伝統にとらわれないものがクリエイティブなコンテンツを刺激するんだと思う。新たなものがクリエイティブであることを継続させるんだと思うんです。すべてのものに上映の余地はあるって、僕は信じてますよ。それって、まるで、“こういう音楽は音楽じゃない”って言ってるようなもので。」

ちなみにスコセッシが、マーベル映画を「テーマパーク映画」と呼ぶ反面、「あらゆるレベルで非常によく出来ている。映画の新しい形、あるいは完全に新しい芸術の形式」として、自分なりの観点で評価してもいることも押さえておきたい。スコセッシの発言の真意がマーベル側に正しく伝わっているかどうかは不明ながら、スコセッシ自身は折に触れて、自身の持論をあらゆる形で語り直しているのだ(もっとも、そのたびに誤解を招いてもいるのだが)。

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Sources: THR, ComicBook.com, Variety, The New York Times

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

THE RIVER編集部。「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。国内舞台作品の執筆・創作にも携わっています。ビリー・アイリッシュのライブに行きたい。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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