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【ネタバレ】『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』ジェイク・ギレンホール、ラストに込めた思いとは ─ ミステリオの「もう一つの役割」明かす

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
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この記事には、映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』のネタバレが含まれています。すでに作品を鑑賞された方向けの内容となりますのでご注意下さい。なお、このページをSNSにてシェア頂く際は、記事内容に触れないようお願い致します。

ジェイク・ギレンホールがミステリオに託したもの

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は「フェイク」の映画だ。異次元からやってきたヒーロー・ミステリオことクエンティン・ベックは、実は異次元の存在でもなければ、ヒーローでもない。地球を襲うエレメンタルズは、ベックのチームが開発したホログラムとドローンのシステムによる偽物。ベックの狙いは、トニー・スターク/アイアンマン亡き今、新たなヒーローとして世界に君臨することだった。それゆえ、ベックはトニーの遺したサングラス(イーディス・システム)を狙ってピーター・パーカーに近づいたのだ。しかし、すべての企みを悟られたベックはピーターに倒され、最後には命を落とす。

もっとも、ベックの仕掛けた最後のフェイクは有効だった。映画のラスト、ニューヨークの巨大ビジョンにはデイリー・ビューグルのJ・ジョナ・ジェイムソンが登場し、ミステリオによる最後の映像を入手したと宣言する。ベックがカメラに向かい、“事件の黒幕はスパイダーマンだ”と語りかけると、画面には、傷ついたミステリオにスパイダーマンがとどめを刺すかのような一瞬が映し出される。「スパイダーマンの正体はピーター・パーカーだ」という声とともに、ビジョンにはピーターの顔が大きく表示される。かくして、スパイダーマン=ピーター・パーカーという事実は公のものとなったのだ。

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム

演じるジェイクは、前作『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)や、自身の出演した『プリズナーズ』(2013)を引き合いに出して、「僕はクリフハンガー(編注:結末で物語を宙吊りにし、結果を見せない作劇方法)が大好きなんですよ」と語っている。しかしジェイクは、同時にそれを正しく成功させることの難しさも熟知していた。

「僕たちは同じ構造の映画に慣れてしまっていて、特に超大作映画はそんな傾向にあります。クリフハンガーで放り出すのは、すごく勇気が要るんですよ。(本作の結末を)僕は二通りで考えたんです。ミステリオは、ピーター・パーカーに教訓を与える人物でもあるのだと。僕の考えでは、教訓を得るところのない、正真正銘の悪役を演じてもしょうがなかった。(ミステリオの)教訓とは――とりわけピーターにとっては――本当の成長とは何か、ということですね。」

また別のインタビューで、ジェイクは『ファー・フロム・ホーム』の結末について、「ピーターは“ベックのことは好きだったのに、彼がすべての元凶だった。どういうことなんだ”という思いを抱えたまま別れることになる。それが良いと思った」とも話している。一連のコメントから浮かび上がってくるのは、フェイクを武器とするベックという人間の曖昧さ、割り切れなさだ。

ミステリオ役を演じるにあたって、ジェイクはジョン・ワッツ監督ら製作チームから「ピーターの世界をひっくり返す、本物のピーター自身を全世界に引っ張り出す悪役にしたい」との説明を受けたとのこと。ジェイクはこの発想に強く惹きつけられ、同時に大きな希望を見出したようだ。

「ミステリオを演じた人間ではなく、観客の一人として、僕はピーター・パーカーを信じているし、スパイダーマンを信じてます。彼のパワーや、彼の強さを信じてる。ミステリオが正体を明かしたことも、いずれピーターを助けることになるでしょう。彼はそのことから、最高のキャラクターたちから学んでいくと思うんです。ヒーローたちに教訓を与えるのが、いつもオビ=ワン・ケノービのようなキャラクターである必要はないんですよ。」

映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は2019年6月28日(金)より世界最速公開中。

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』公式サイト:http://www.spiderman-movie.jp/

ネタバレありのミステリオ特集はこちら

Source: THR

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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